制作事例
かつて横浜にあった集合住宅地・互楽荘。1932年に東京の商人が娘のために建てたが、太平洋戦争後、アメリカ軍兵士のための 赤線第一号の建物となった。「その事実を知ったことで同潤会アパートとはどこか違う影の濃さをはじめに感じたことが納得できた」 (あとがきより)。初期の代表作『APARTMENT』(1978年)と対をなす、もうひとつの「アパートメント」と言えるこの作品集を見ることで、建物が持つひとつの歴史が浮かび上がってくる。
石内都(いしうち・みやこ) 群馬県生まれ、横須賀育ち。初期3部作「絶唱、横須賀ストーリー」「APARTMENT」「連夜の街」で街の空気、気配、記憶を捉え、同い歳生まれの女性の手と足をクローズアップした「1・9・4・7」以後 身体にのこる傷跡シリーズを撮り続ける。1979年第4回木村伊兵衛賞。1999年第15回東川国内作家賞、第11回写真の会賞、2006年日本写真協会作家賞受賞。2005年「Mother's 2000-2005 未来の刻印」でヴェネチアビエンナーレ日本代表。 2009年写真集「ひろしま」(集英社)、写真展「ひろしま Strings of time」(広島市現代美術館)により第50回毎日芸術賞受賞、第3回国際写真センター・トリエンナーレ(N.Y)招待作家。
メディア
発行:蒼穹舎 発行年:2017 サイズ:A4変型、上製本、76ページ