色の再現はもちろん、複製画でもうひとつ難しい点は、本物の質感やディテールを再現することにあります。日本画であれば、胡粉の盛り上がりや剥がれ、岩絵の具の粒立った質感、和紙の繊維感や金箔や金泥など。これらを画像として平面的にスキャンしてプリントしても、本物らしさには近づけません。 多様な技術を持つサンエムカラーでは、あらゆる技法を組み合わせて、作品ごとに最適なプリントをご提案します。

本物らしさを大きく左右する要素のひとつは、プリントするメディア（和紙、絹本、キャンバスなどの支持体）です。特に再現性が求められる場合は、本物と同じ素材にプリントするのが理想的です。 サンエムカラーでは幅広いメディアに対応できるプリント技術で、手漉き和紙や本絹本など、より元の作品に近い素材を選び、本物らしい存在感の再現を追求しています。

複製画はプリントだけでなく、額装や表装も重要な要素です。なかでも掛け軸や屏風、ふすまなどの仕立てには伝統的な技術を要します。 文化財複製では、作品の表装自体が伝統工芸と呼べるものも多くあります。そのような場合も京都の印刷会社ならではの地縁で、高い専門性を有する表装技能士と協力して制作にあたっています。

文化財や美術品の高精細デジタル化に特化した、1800×4000mmの範囲を最大1200dpi、160億画素もの高解像度でスキャニングできるアート専用のスキャナです。 カメラライティングに近いコントロールができ、色を正確に読み取るだけでなく、キャンバスの布目のようなわずかな立体感、画材の質感も逃さず記録します。 このスキャナは、組み立て式のため出張スキャニングも可能。移動させることが難しい文化財のアーカイブにも対応できます。

ダイナミックレンジと細やかな色再現を追求するフルサイズCMOSセンサーを搭載したカメラにより、最大1.87億画素の高解像度で、平面作品のみならず、彫刻や工芸などの立体作品も精緻に美しく撮影することができます。 紫外線の一切出ないLED照明によって、文化財や作品にダメージを与えない複写撮影が可能です。

さまざまな機械を使い、空間のデジタル撮影を行っています。マーターポート撮影は、専用の3Dスキャンカメラを用いて、空間をまるごとデジタルアーカイブし、Web上で没入感のある鑑賞閲が可能です。
360度高解像度撮影は、カメラを中心に全方位を数十～数百カットを撮影して、結合することで超高解像度の空間画像を作成する技術です。展覧会の展示風景や神社仏閣の屋内アーカイブ、季節ごとの庭園の記録などに利用されます。

被写体を3Dデータ化する撮影も行っています。あらゆる方向から撮影した画像から3Dオブジェクトを生成するフォトグラメトリーや、3Dスキャナーを用いた3Dスキャンなど、用途に応じて3D化を行います。 また、素材やマチエールのテクスチャ撮影も行っています。大型スキャナを用いて、品質の高いNormalMapを作成します。