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細江英公『薔薇刑(二十一世紀版)』

本作の初版は、1963年(昭和38年)3月25日に集英社より刊行され、「日本写真批評家協会」作家賞を受賞。非日常的、耽美的でセンシュアルな構図の数々の写真が掲載されたこの写真集は、国内だけでなく、海外でも高く評価されております。

『二十一世紀版 薔薇刑』は、三島由紀夫の現代的、あるいは西洋のロココ的、耽美的な作家のイメージの延長線上にあるものと思われがちですが、それは上述したように作家の一面であることは、本写真集をご高覧いただければ、お分かりになることと思います。

本作では新たに未収録写真5点が追加され、わが国デザイン界の巨匠、浅葉克己氏がデザインを担当。そして画期的な印刷技術として「サンエムカラー」が独自に開発した「グラセット・エフエム」が世界で初めて採用されるなど、愛蔵版として相応しい豪華な仕上がりとなっております。

「グラセット・エフエム」の「グラセット」とは、写真などの再現性に優れている「グラビア印刷」と、現在の印刷方式の主流となっている「オフセット印刷」のそれぞれの長所を生かした技法で、まさに現代の「写真印刷」をする上では世界最高峰の印刷技術です。

『二十一世紀版 薔薇刑』は【白黒】の写真集ですが、初版(1963年)の「グラビア印刷」のコントラスト(階調、エッジの効き方、etc…)の「美」を凌駕すべく、贅沢にも特色を含めた6色のインクを使って、『薔薇刑』の写真世界の【白黒】を表現しております。 もちろん、「三方背函」も最高の印刷を施した豪華装幀となっております。

被写体:三島由紀夫  三十六歳 (年齢は撮影開始時) 写真家:細江英公   二十八歳 撮影時期:1961年(昭和36年9月)~1962年(昭和37年春) 撮影現場:南馬込三島邸、稽古場「アスベスト館」、亀戸の廃工場跡、青山教会跡地の建築現場など

「私は氏に、「一体これは何を意味してゐるんです」ときいた。氏のまことに簡潔な答は、「偶像破壊ですね」といふのであつた。私曰く、「へえ、そんなら、僕なんかやつつけたつて仕様がないぢやないですか。僕は第一偶像ぢやないし、第二に、自分で自分をいつも破壊しようとしてゐる人間だ。本当に偶像破壊をやりたいなら、老大家を裸にしてゴムホースを巻きつけたらいいでせう」 「そのうちやりますよ」その言やよし、私共は意気投合した。そして氏が、展覧会に出す連作を撮らしてくれ、といふので、私は、それが明らかに商業的なものでない、氏の本当の仕事にしようとしてゐることを確かめて、快諾した。」 「『薔薇刑』体験記」 三島由紀夫

「芸術家はだれでも自分自身が芸術そのものになりたいという願望があるんだそうですよ。でも恥かしくてそれを口に出せないだけなんです。私小説で自分がみっともないかっこうをして、薄ぎたない恋愛をするのを書くのも、その姿が芸術だと自信がなくてはできることではないでしょう。私は詩が書けないですが、あれは写真家と共同の詩的作業なんです。写真の詩集なんだと思っています。」 「日本一の被写体――三島由紀夫氏」 細江英公

「芸術家の真の願望は芸術を生み出すことにあるのではなく、あんがい、自分自身が、芸術そのものに変身してしまうことだったのかもしれない。沈黙せよ。沈黙して、生理を開放せしめよ。この一人きりの組織、ひとりきりの秘密結社に、いさぎよく加盟して、壁とともに、ひたすらたわむれるべきではあるまいか。」 「三島氏、芸術に変身す――細江英公写真集『薔薇刑』に寄せて」 安部公房

メディア

その他

発行:株式会社YMP 発行年:2015 サイズ:430×280mm、専用函付き、102ページ https://asukainternational.com/books/barakei/index.html

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