いつも素敵な写真集を発行されている蒼穹舎様。
新刊は吉江淳さんの 『地方都市』 です。
表紙は写真を前面に配し、マットPP+箔押し。
シンプルかつ大胆なデザインが目を引きます。
ブロック塀、用水路、店の看板―どの写真も初めて見るはずなのに、昔住んでいたような、すぐそこにありそうな風景。
吉江さんは、出身地の群馬県をはじめ全国の地方都市をフィルムカメラで撮影していらっしゃいます。なんの変哲もない、少し寂しい風景が多いのですが、フィルム撮影独特のしっとりとした質感がなんとも郷愁を誘います。
LED-UV印刷でどっしりとインキの乗った本文。傾きかかった陽の光と陰影の対比が美しく再現されています。
撮影地がわかるような要素はほとんど見当たらず、全国どこにでもありそうという意味では無個性な風景かもしれません。しかし、一枚一枚の写真をじっくりと見ていくと、その絶妙の「普通さ」こそが、そこにしかない奇跡の風景であることがわかってきます。
お求めは、蒼穹舎様までどうぞ。
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『地方都市』
著者:吉江淳
装幀:原耕一
発行:蒼穹舎
印刷:サンエムカラー
仕様:糸かがり上製本、244mm×225mm、128頁
表紙:Mr.B ホワイト、マットPP加工、箔押し
見返し・本文:B7トラネクスト
印刷:LED-UV 200線
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