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カテゴリ:1冊の写真集が完成するまで

津軽再考 印刷立会

2019.5.16  1冊の写真集が完成するまで 

先日、写真家の柴田祥さんが写真集「津軽再考」の印刷立会に来社されました。

当日の印刷はスムーズに進み、現在は製本の工程へと進んでいます。


印刷物確認中の柴田さん

 

今回、ネットでの先行販売分(完売済み)とプラスアルファで全600冊作成予定の内200冊に作家のサインを入れたいとの希望がありました。

普段は製本され完成した本にサインを入れるのが一般的ですが、時間の関係で印刷立会と並行して柴田さんにサインを書いてもらいました。

200冊にサインを入れるのですが、今回の製本は少し複雑な工程をたどるので予備が150枚必要と製本会社からの回答が。

計350枚の印刷物にサインを柴田さんに書いてもらいました。ご苦労様です。


刷りあがりの印刷物にサインを入れる柴田さん

週末あたりには本が完成しますので、本の内容はまた改めて記事にします。

 

と、いつもは印刷立会だけの記事を書いていますが今回はここからが本番です。

印刷立会からさかのぼること数ヶ月前、道音舎の北浦さんから新しい写真集を作りたいので相談をしたいと久しぶりに連絡が有りました。

道音舎さんの出版第一号写真集「狼煙」の製作工程はかなりくわしくブログの連載記事・1冊の写真集が完成するまでに書いていますので興味のある方はそちらをご覧ください。

 

後日、道音舎の北浦さん、硲さんに来社していただき写真集の仮レイアウトと柴田さんの作品がどのようなものかを見せてもらいました。

初見の感想はモノクロ写真の調子がかなり微妙な変化のある写真ばかりでこの調子を印刷で再現することが難しいだろう。

しかし柴田さんの写真の魅力はこの微妙な調子にあるのだろうなと思い道音舎のお二人にその感想を伝えました。

前回はダブルトーンでの印刷でしたが今回の作品はダブルトーンでは調子を完璧に表現できない可能性があると伝えました。

カラーの写真については問題無く印刷できると思いその旨も伝えました。

 

どのような印刷にすれば良いのかテストをやってみないと分からないので道音舎さん、作家さんにテスト用のデータとターゲットのプリントを8点選んでくださいとお願いしました。

なぜ8点なのかと言うと、今回の本のサイズ横28.2cm 縦22.4cmの場合、用紙が菊全(63.6cm ×93.9cm)の紙に片面8ページ分を印刷することが一番効率がいいからです。

さらに、使用したい用紙も決めてくださいと伝えました。

送られてきたプリントを見ます。

やはりこの微妙な調子の変化を印刷するのは難しいなと思いながら製版部署へダブルトーンとトリプルトーンのテスト刷り用の版作成の指示をだします。

 

ちなみにテスト刷りの用紙は

1・モンテルキア 菊判<77.5>T目

2・スマッシュ 菊判<76.5>T目

の2種類で行いたいとの要望です。

テスト刷りの用紙は種類をもっと増やす事も可能ですが増やした分だけコストがかかります。限られた予算内での写真集作成では完成のイメージを明確にし、種類は少なくしたほうが良いでしょう。

 

テスト刷りの結果、まずは用紙2種の違いから。

画像を見てもらえば分かると思いますが、インクの付きが良いのはスマッシュのほう。かなりクリアに印刷されています。

一方モンテルキアのほうはスマッシュよりもインクの付きが悪いためくらべるとかすれた感じがします。


左がスマッシュ、右がモンテルキア。どちらも印刷はダブルトーン。

スマッシュはシャドー側の黒もモンテルキアより濃く印刷されているのでレンジが広く表現の幅はこちらが良好。

モンテルキアはマット感があり、かつ少しぼやけた風合いの印刷になっているので柴田さんの作品を表現するにはこちらを選んでもいいような気がします。

 

次にダブルトーンとトリプルトーンの違いを。分かりやすいようにシャープに印刷されているスマッシュでの対比画像を見てみましょう。


左がダブルトーン、右がトリプルトーン。

一目了然でトリプルトーンのほうが調子の表現が良いのが分かります。特に中間の調子の差は歴然です。しんしんと降っている雪のピントのズレによる奥行きがトリプルトーンではかなり良い調子で印刷されています。

ただし、グレーを2色で印刷しているトリプルトーンの場合、薄グレーでの調子版が一番インキ量を多くしているため、濃いグレー1色で調子をだしているダブルトーンよりも力強さが弱くなっています。

 

このテスト結果を道音舎のお二人に見ていただき、ぼくなりの見解を伝えます。

まず、懸念であった調子の表現ですがダブルトーンでも問題無く表現できていること。トリプルトーンを使用しなくても大丈夫だと思いますと伝え、ただしトリプルトーンのほうがさらに調子をだす事ができると伝えます。

テスト印刷を見ればその違いは分かりますので道音舎のお二人もトリプルトーンの表現力に感心されていました。

 

しかし、トリプルトーンには最大の欠点があります。

ダブルトーンにくらべて1色余分に印刷するためにコストが大幅に上がってしまいます。

先ほども一度コストについて話しましたが本を作る時、無尽蔵にお金が使えるわけではありません。

限られた予算内でどれだけ自分たちが思い描いている本に近づけるか、このことがもっとも重要であると言っても過言ではありません。

道音舎のお二人は作家さんと相談して決めますとのことでした。

 

用紙については個人的にはスマッシュのほうがレンジが広い分、やりやすいとは思いますがこの写真集は出版社と作家の本です。

どれを選択するのかは出版社と作家が決めること、アドバイスはしますがこちらが良いですからこちらでいきましょうとは言わないようにしています。

 

後日、作家さんとの話し合いの結果、用紙はスマッシュ、ダブルトーンでいきたいとの連絡をもらいました。

ダブルトーンでも調子のつぶれは少なかったのと作家である柴田さんがトリプルトーンだと繊細過ぎるとのことだったのでコストのこともあり、良い選択だと思いました。

 

次にぼくが行う仕事はテストよりも良い印刷に仕上げること。

テスト印刷とターゲットプリントを見くらべてライト部分が重く感じるのとグレーの色が違うことが大きく外れているところです。

グレーの色はテスト印刷時、分かりやすくするためにターゲットよりもニュートラルグレーに近いグレーで印刷していました。

ターゲットはかなり青味のあるグレーですからグレーを青くするだけで近づきます。

しかし先方に確認したところテストのグレーのままでよいとのことだったのでここは変更無しで。

ライトが重く感じるのはコツ版であるスミ版にもライトに点が入っているため。この部分に網点は必要ないと思いスミ版のライト部分5%のところをカットしました。

そして最終印刷したものがこちら、テスト印刷からかなりターゲットの雰囲気に近づいています。


左がテスト。中が最終印刷、右がターゲットプリント

 

以上が今回の印刷設計がどのように行われたのかの概要です。

 

実はテストの時に思いつきでトリプルトーンの色をスミ+グレー2色ではなく、スミ+グレー+白で印刷してみてはどうかと思いやってみました。

先にグレー版の逆版を作りその版で白を印刷。その上からスミ+グレーのダブルトーンで印刷します。想像ではうまくいくはずでしたが結果は・・・

ただ単にダブルトーンで印刷したものがくすんでしまいました。
完全な失敗でしたがまた一つ印刷についての知識が増えたのでその意味では良かったのでしょうか。

 

今回のことは道音舎さんのブログでも硲さんが記事にされていますので読んでみてください。

 

Art Book Director  前川

 

 

一冊の写真集が完成するまで part2 ③

2018.10.30  お知らせ, 1冊の写真集が完成するまで 

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サンエムカラーは、これまでに様々な方々の
作品集・写真集の印刷を手がけてまいりました。
初めて作品集を作られる方にも、経験豊かな担当者が
しっかりとお話を伺い、充実した作品集が完成するまでを
徹底的にサポートさせていただいております。

しかし、この記事を読まれている方の中には、
「写真集を作りたい!でもハッキリしたイメージが持てていないのに相談しても大丈夫なのか」
「お金がどれくらいかかるのか全く分からない…」
など、不安に思われている方も多いのではないでしょうか。

そこで、当ブログでは数回に渡り、実際にサンエムカラーが
作家の方と共に1冊の作品集を作り上げるまでの様子をお届けしたいと思います。

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今回、本を作らせていただくのは写真家の川内陽さんと
詩人の服部嗣雄さんです。
タイトルは『詩と写真、その可能性』。
二人のおりなす世界観からどんな新しいものが生まれるのか。

完成が楽しみですね!

第3回の今回は写真集の色校正の様子をお伝えしたいと思います。
(第2回目、DMの色校正の様子はこちらよりどうぞ。)

色校正についての説明も前回に書いているのでぜひ読んでみてください。

さて、写真集の校正も前回同様みていただきますが

写真集には特色がないため本機校正をした後、

その写真に対して細かく修正指示をしていただく形で進行します。

まず、川内さまが用意してくださった色見本。

これを元に色を寄せていきます。

印刷物はCMYKという色料でできています。
CMYKとはそれぞれ
C=シアン M=マゼンダ Y=イエロー K=ブラック(墨)
の4色を掛け合わせて作られており(減法混色)、
この4色で表現できない色を特色といいます。

前回のDMは特色として銀色を使っていました。

今回の写真集、特色は使っていませんが
サンエムカラーの得意分野でもある色調補正を

十分に発揮していこうと思います!

まずは念入りに修正指示を聞いていきます。

CMYKの説明もざっくりしましたが
「もう少しYプラス」、「Mマイナス」などの指示でも十分ですし
「もっとボリュームがほしい」
「遠近感を出したい」
などイメージを伝えていただければ専門のオペレーターが

調節をするので知識がない方でもご安心ください。

このように一つ一つ、写真集の出力と色見本を比べていきます。

修正指示は反映して次の印刷立ち会いで再度ご確認いただきます。

もうそろそろゴールが見えてきましたね.

 

さてさて、長々と語ってまいりましたがついに川内さんの写真展、

「KiBi …心のゆらぎ、きらめき…」が

本日より京都写真美術館 ギャラリー・ジャパネスクにて開催中です。

会場は平安神宮のそばで

観光しながらでも気軽に立ち寄れる素敵な会場です。

芸術の秋にぜひ川内陽さんの世界観を楽しんでみてはいかがでしょうか。

会場の様子はまた改めて紹介させていただきます。

お楽しみに。

—本の出版をお考えの方に。
簡単に制作過程をまとめたこちらもぜひ併せてご確認ください。

グッズの作成も承っております。

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川内陽 写真展
「KiBi …心のゆらぎ、きらめき…」
2018.10.30(tue) ~ 11.04(sun)
京都写真美術館 ギャラリー・ジャパネスク
詳細HP
https://kyoto-muse.jp/exhibition/exhibitionlist?exhibition_id=1455

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一冊の写真集が完成するまで part2 ②

2018.10.25  1冊の写真集が完成するまで 

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サンエムカラーは、これまでに様々な方々の
作品集・写真集の印刷を手がけてまいりました。
初めて作品集を作られる方にも、経験豊かな担当者が
しっかりとお話を伺い、充実した作品集が完成するまでを
徹底的にサポートさせていただいております。

しかし、この記事を読まれている方の中には、
「写真集を作りたい!でもハッキリしたイメージが持てていないのに相談しても大丈夫なのか」
「お金がどれくらいかかるのか全く分からない…」
など、不安に思われている方も多いのではないでしょうか。

そこで、当ブログでは数回に渡り、実際にサンエムカラーが
作家の方と共に1冊の作品集を作り上げるまでの様子をお届けしたいと思います。

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今回、本を作らせていただくのは写真家の川内陽さんと
詩人の服部嗣雄さんです。

第2回の今回は色校正の様子をお伝えしたいと思います。
(第1回目、レイアウト校正の様子はこちらよりどうぞ。)

まず色校正とは…
前回も少しお伝えしたように
印刷した際の色を見ていただくことをいいます。

たとえば印刷会社に作品を依頼した方は経験があると思いますが
「あれ…?思ってた色とちゃう…」
みたいなことないですか?
特にパソコンで作業をしているとくすんだ色に仕上がって
がっかりしちゃいますよね。
それを解消していく段階です。

色校正には大きく分けて
「簡易校正」と「本機校正」の2種類があります。

「簡易校正」とはオフセット印刷機を使用せず
主にインクジェットプリンタを使用して簡易的に出力をする方法です。
サンエムカラーでは高細密な再現性の高いインクジェットプリンタを使用します。

「本機校正」とはオフセット印刷機で実際に顔料油性を使用して印刷をする方法です。
原本を作成して大量に刷ることができる上、特色の使用も可能なので色の再現性が高いです。
これは印刷会社にしかありません。
ちなみに今は「試し刷り」の段階ですが
本刷りの場合も本機校正で使用したオフセット印刷を使います。

今回はその実際の印刷機を使う「本機校正」で
仕上がりの感じを見ていただきました。

これは展覧会のDMです。
実はこれもサンエムカラーで刷らせていただいています。

同じ画像がいっぱい?と思いきや
一つ一つ画像の色が違います!

写真家さんにとっては特に重要な段階ですので
オペレーターができる限りの色の提案をします。

ちなみに今見ていただいている校正、銀色(特色)の濃度を
気にされているようで…
銀の濃度が濃いものと薄いもの、
コントラストを上げたものと下げたものをご用意。
気に入ってもらえるでしょうか…

ああよかった!
気に入ってもらえるものがありました!

DMの色校正も無事に終了したところで
こちらはこれから本刷りに入ります。

次回は写真集の色校正の様子をお届けします。
画像が多いのでどのような感じで進行するのか
気になりますね!

今回紹介した色校正、
当ホームページでオプションを紹介しているので
詳しく知りたい方はご参照の上、お問い合わせください。
https://www.sunm.co.jp/skill/index.php

それでは次回もお楽しみに!

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川内陽 写真展
「KiBi …心のゆらぎ、きらめき…」
2018.10.30(tue) ~ 11.04(sun)
京都写真美術館 ギャラリー・ジャパネスク
詳細HP
https://kyoto-muse.jp/exhibition/exhibitionlist?exhibition_id=1455
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一冊の写真集が完成するまで part2 ①

2018.10.17  1冊の写真集が完成するまで 

サンエムカラーは、これまでに様々な方々の
作品集・写真集の印刷を手がけてまいりました。
初めて作品集を作られる方にも、経験豊かな担当者が
しっかりとお話を伺い、充実した作品集が完成するまでを
徹底的にサポートさせていただいております。

しかし、この記事を読まれている方の中には、
「写真集を作りたい!でもハッキリしたイメージが
持てていないのに相談しても大丈夫なのか」
「お金がどれくらいかかるのか全く分からない…」
など、不安に思われている方も多いのではないでしょうか。

そこで、当ブログでは数回に渡り、実際にサンエムカラーが
作家の方と共に1冊の作品集を作り上げるまでの様子をお届けしたいと思います。

 

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今回、本を作らせていただくのは写真家の川内陽さんと
詩人の服部嗣雄さんです。

この時点でお気付きの方もいると思うのですが
今回は写真集ではなく
写真と詩を融合させた
『詩写真集』を作るということで依頼を受けました!

今回の本は川内さんの個展「KiBi …心のゆらぎ、きらめき…」に併せて
作るということでそちらの展覧会も気になります!
下記に展覧会情報をまとめていますので、ぜひそちらもご確認ください。

それではお二人について簡単にご説明します。

写真家の川内陽さんは大学卒業後、
知人に勧められカメラを始めたそうです。
その後次々と賞を受賞。
今年は第43回 2018 JPS展 優秀賞、
第66回二科展 入選など
今後の活躍が楽しみな写真家さんです。

詩人の服部嗣雄さんは、今回の詩写真集を作る以前、
『智子の絵・嗣雄の詩』というタイトルで本を出しており、
それ以外にも画集の編集なども担当される多才な方です。

さっそく、そのお二人が作る詩写真集の打合せの様子をご紹介していきます。

ちなみに今回は3回目の打ち合わせで
・本のサイズ
・本の用紙(表紙と本文)
が決定し、いよいよ本のレイアウトにかかる段階です。

前回、川内さんが用意してくださった『台割表』をもとに
サンエムで作ったレイアウトを見ていただきました。

「この字をもっと大きく」「ここに写真を追加する」
この時に色々修正指示をもらい、お客さまのイメージに近づけていきます。

ところでご存知ない方もいると思うのですが
先ほど述べた『台割表』というのは一体何でしょう?

台割表というのは冊子構成がページ順に書かれた表のことで
何ページに何が入るかを明記します。
この詩写真集の場合だと、
・◯ページに目次、
・◯ページに◯番の写真、
・◯ページに◯番の詩、
など指示が書かれています。
本を作る時に台割表は必要不可欠。
これは手書きでも良いので、打ち合わせの際に持参すると良いでしょう。
書き方などはさまざまなので一度ネットで検索してみるのも良いかもしれませんね。

このあとはお客さまの修正指示のもと、何度も編集作業を重ねていきます。
レイアウトのOKが出たら実際の印刷機で試し刷りをし(本機校正といいます)、
仕上がりに近い状態でお客様にご確認いただきます。
次回はその打ち合わせ風景をお伝えしたいと思います。

お楽しみに!

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川内陽 写真展
「KiBi …心のゆらぎ、きらめき…」
2018.10.30(tue) ~ 11.04(sun)
京都写真美術館 ギャラリー・ジャパネスク
詳細HP
https://kyoto-muse.jp/exhibition/exhibitionlist?exhibition_id=1455
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1冊の写真集が完成するまで 番外編 No.2

2018.2.15  1冊の写真集が完成するまで 

サンエムカラーが、作家の方と協力して
新しい写真集を作り上げるまでの様子をリアルタイムで
お届けするシリーズ「1冊の写真集が完成するまで」。
(過去の記事はコチラからお読みいただけます。)

実は、1月5日に「Wakayama Days」さんと
美術館ブックカフェ「BRING BOOK STORE」さんの共催にて
「狼煙の輪郭(のろしのりんかく)
〜写真家・照井壮平が25年追ってきた “熊野・高野” と書籍デザイン〜」
として、トークイベントが行われました。
その場に、光栄ながら弊社の担当前川も登壇させていただきましたので
遅ればせながら、レポさせていただきます!

場所は、和歌山県立近代美術館内の「BRING BOOK STORE」です。
黒川紀章氏設計の和歌山城を望むかっこいい建物の中にありました。

なんとエントランスに、狼煙が上がっていました!
書籍名にあわせた素敵な演出で、イベントにも期待が高まります。

和歌山カルチャーがぎゅっと詰まった素敵な書店、
BRING BOOK STORE」には、
ありがたいことにサンエムカラー印刷の書籍も。

70名もの方にお集まりいただいたそうですが、
贅沢なことに本物の紙焼きを触らせていただけるという
大盤振る舞いでした!写真家の照井さんに感謝。
印刷物と紙焼きを見比べることのできる貴重な機会です。

なんと「狼煙料理」付きのイベントでした。
「狼煙料理」とは出陣前のお食事をイメージされたとのこと。
アイデアいっぱいのイベント、さすがです。
(おいしかったです、ご馳走様でした!)

1部では写真家の照井さんのトークです。
照井さんの25年に渡る撮影の日々や
写真集ができるまでのストーリーを知ることができました。
小さい頃からの興味深いお話もしていただいて、
みなさん集中して聴いておられました。
(詳しくは、道音舎さんのFBをご覧ください)

2部は、クロストークです。
BRING BOOK STORE」主催の源じろうさんと。
和歌山のカルチャーを牽引しておられる源じろうさんと
和歌山を撮り続けておられる照井さんのお話で、
和歌山の祭りに行ってみたい!という気持ちになりました。

デザイナーの硲さんからは、
本ができるまでの構想段階からの話をみっちりと。
イメージから形にするまでの長い道のりのお話、
本当に興味深かったです。
ご自身が主催される出版社だからこそ、
ここまでこだわりの写真集ができたということや
お三方の情熱がものすごく入っていることがよくわかりました。

いよいよ前川の登壇のターンです。
柱の陰から見ながらドキドキしてしまいました。。。
面付けした状態の印刷物など資料を元にご説明させていただき、
かなりマニアックな内容でしたが、
興味を持って下さった方もおられたようで一安心。

次のターンでは、4名のクロストークや質疑応答でした。

夜も更け、狼煙も上がりきったところでトーク終了。
終了後に、参加者の方からサンエムカラーのブログを読んで
来てみましたと言って下さる来場者の方もおられて、
前川共々感激してしまいました。

アートブックシーンをもっと広げていきたい想いや
印刷物の深い世界をお話する機会をいただき、
照井さん、道音舎の北浦さん、硲さん本当にありがとうございました。
道音舎さんの次回作も、楽しみにしております!