ハイブランドも注目する日本最古の和傘屋 「辻倉」
圧倒的な品質と個性豊かなテキスタイルで染め業界を牽引し続けている 「岡重」
二つは京都を代表するブランドです。
今回サンエムカラーは、上記の2社と共に2つの和傘を制作しました。
弊社のInstagramにて既に少し紹介していますが、今回はブログにてその和傘を詳しくご紹介いたします。
最古の和傘に最新の印刷を組み合わせるという挑戦
和傘には、
- 和紙を使う事
- 多くの閉じ開きに耐えられること
- 雨・風・日光に晒されても耐えられること
これらを想定して設計するために、職人の知恵と技術で複雑なテキスタイルやイラストを施す創意工夫をしてきたという歴史があります。
その歴史の中にはもちろん印刷の試みもありましたが、印刷では耐久性も印刷そのもののクオリティも足りないどころか、そもそも手漉き和紙への印刷が不可能に近く、全く実用的ではないというのが結論でした。
我々サンエムカラーはそこにブレイクスルーを生むべく「印刷」に取り組みました。
弊社のカサネグラフィカでは、従来のUV印刷方式の限界を超えた、豊かな発色と精細な描写が実現可能です。インクの耐久性も当然問題なし。
ハイクラスの印刷機とハイレベルな製版技術、それらを組み合わせて、ハンドメイドでは実現困難な「高品質な印刷と生産性の両立」を目標にチームは試作を重ねました。
そして完成したのが
浅井コレクションよりご提供いただいた、二代歌川国貞の『助六郭の花見時』という浮世絵をモチーフにデザイン・印刷した傘と、
岡重様からお借りした「鯛づくし文様」をサンエムにて印刷し、辻倉様に雨傘として加工していただいた鯛づくし文様傘、
この2本です。
傘を載せている機械はこの傘の制作に使用した印刷機です。実はとても繊細な機械ですが、和傘は非常に軽いため載せても全く問題ありません。
表面が美しいのはもちろんのこと、裏面から見ても非常に美しいのが和傘の特徴です。
特に雨傘は、雨水を防ぐための油を染み込ませる工程で半透明の仕上りとなり、独特の雰囲気には息を呑むほどです。
「鯛ずくし文様」はそんな防水加工のおかげで、仄かで上品な透け具合になりました。機会があればぜひ一度、辻倉様にて本物の和傘をご覧ください。