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グッズができるまで ①

2018.1.5  グッズができるまで 

サンエムカラーでは、展覧会オリジナルグッズをはじめとした
グッズ制作を展開しています。

印刷で出来るグッズといえば、どんなものが思い浮かぶでしょうか。
ポストカード、ノート、メモ帳…などなど、弊社オンラインショップで
取り扱っているアイテムは、もちろん全て印刷で作られています。

中にはクリアファイル、マグカップなど、「印刷物」というイメージが
薄いものもあるのではないでしょうか。
そういった、紙に印刷できるグッズ以外にも
多く企画・制作を行っています。

今回は、「1冊の写真集ができるまで」に続きまして、
「グッズができるまで」と題して、グッズ制作の様子を
お伝えしていきたいと思います。

 

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現在制作が進行しているのは、写真集『SURI COLLECTION』(いろは出版)が
大人気発売中の写真家、ヨシダナギさんのグッズです。

『SURI COLLECTION』の印刷を担当させていただいたり、
秋に開催をお伝えしました「サプール写真展」での
トークイベントにも参加されるなど、様々な場面で一緒に
お仕事をさせていただいています。

そのご縁で、今回は2018年2月に開催予定の写真展『Tribe Walk』で
販売予定のグッズを企画・制作しております(展覧会については追って詳細を告知させていただきます!)。
企画・デザインは、弊社企画・制作の部署にて担当させていただきました。

2月の開催ですので、順次各グッズのデザインが決まり、校正が印刷されている段階です。

 

早速、校正中の工場よりお届けします。

 

今校正しているのは、2種類のメモ帳です。
柄は、写真右から、表紙、本文1、本文2、本文3の
4種が付け合わせの状態です。
本来は表紙と本文の紙は変えますが、今回は
校正のため、同版・紙替えで校正を進めます。

グッズを印刷するときも、書籍と同じように大きな紙に付け合わせて印刷します。

 

今回の校正では、同じ柄の中で濃度やコントラストに
差をつけたデータを2種用意して、最終的にどのデータを使うかを
実際に印刷されたものや、作家さん、デザイナーの意見を確認して
校了を目指します。


▲『SURI COLLECTION』を色見本にして色を合わせていきます。
表紙はコート系の色を使用します。色の調整を繰り返します。

 

▲次は、本文です。
1回目の刷り上がりは、柄の縁に少しムラが出てしまいました。
これは、スタート時なので機械の水の量の調整が足りていないことが原因です。

▲調整をして再度。今度は綺麗に色が出ました。
人物の写真部分も、メモの書きやすさを考えて、
印刷で調整を重ねます。

 

 

次は、表紙の一番初めにかぶせる透明のシートの校正です。

ニスに白いインキを混ぜたもので、ナギさんの写真に写る人々の
ボディペイントを元にしたパターンを印刷します。

▲校正版です。表紙の作品によって、パターンを2種類用意しました。

 

ただの白ではなく、ニス入りの白で刷るので、インキの調節から始めます。

 

ニスにヘラで白インキを混ぜつつ、紙に取って印刷時の見え方を確認。

 

刷らないことには始まらないので、まずは一回。


▲早速刷れました。

 

▲表紙にかぶせて見ます。少し薄いかな?

 

インキを調節し直してもう一度。

▲少し白が濃くなりました。

 

何回か刷り直しをした後、濃いものと少し薄めのもの2種を
ヨシダナギさんにお送りしました。

校正が終わり、本文を含め全体の方向性が決まりました。
これからヨシダさんに見ていただき、ご意見を待ちます。

 

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今回からの連載でお伝えするグッズ制作は、デザインから全て
サンエムカラーの中で担当しています。
これから他のグッズもご紹介していく中で、どんな加工ができるのか、
どんなものにどんな印刷ができるかを知り尽くした印刷会社ならではの
グッズ提案も知っていただければと思います。

 

また、弊社でも今まで作ったことのない、この展覧会ならではの
ちょっと意外なグッズも登場予定です。

 

どうぞ、お楽しみにお読みください!