印刷職人のしごとばTOPICS

《夏季休業のお知らせ》

2018.8.7  お知らせ 

誠に勝手ながら、8月11日(土)~16日(木)を弊社の夏季休業とさせていただきます。

期間中にいただいたご連絡・注文等は、17日(金)より対応させていただきます。

期間中ご迷惑をおかけいたしますが、どうぞご了承ください。

上田義彦『68TH STREET』

2018.7.27  雑誌に掲載されました 

現在発売中の「コマーシャル・フォト」(玄光社)8月号に、
サンエムカラー印刷・製本の写真集をご紹介いただいています。

写真家・上田義彦さんの最新の写真集『68TH STREET』。

ニューヨーク68丁目にあるアパートで、昼間は撮り、
夜はプリントするという生活を続け、「白い紙」に
落ちる光と影に向き合い続けた記録です。
1ページのコメントとあとは全てモノクロの写真という、
非常にシャープな仕上がりです。

編集は、ユナイテッドヴァガボンズ代表・菅付雅信さん。
エレナ・エムチュック『Anna』の制作でもお世話になったご縁で、
印刷をお任せいただきました。

 

「コマーシャル・フォト」では、上田さんの
コメントに加え、デザインを手がけたファビアン・バロン氏から
寄せられた言葉が掲載されています。

 

デザインや製本のこだわりなども語られていますので、
書店で見つけられた暁にはぜひご覧ください。

 

『68TH STREET』は限定1000部の発行、さらに国内の書店での
販売は300部限定と出会うことすら難しい写真集ですが、
発見された幸運な方には、製本の質感と色の深みを
手にとって確かめていただきたい上質な本です。

 

ユナイテッドヴァガボンズ様のHPでも紹介されています。
こちらも合わせてご覧ください。

 

 

 

2019年源氏物語カレンダー《麗らの恋風》注文受付スタート!

2018.7.20  お知らせ 

大好評のルミナアート加工仕様の源氏物語カレンダー「麗らの恋風」の販売をスタートしました!

 

ルミナアートとは、絵柄に特化した繊細なラインパターンの入った箔押しの上から、カラー印刷を施す独自の技術です。

 

ここでは、華やかな源氏物語の世界に繊細なきらめきがあしらって皆様の手元にお届けします。

 

サンエムカラーのオンラインショップおよびAmazonショップでお買い求めいただけます!

 

2019年度もきらめきのあるカレンダーでお迎えください!

もちろん今年も、日本語版・海外版(通常サイズ/ミニサイズ)の3種をご用意しております。

 

源氏物語カレンダー「麗らの恋風」日本語版  通常サイズ  2,000円

源氏物語カレンダー「麗らの恋風」海外版   通常サイズ 2,000円

源氏物語カレンダー「麗らの恋風」ミニサイズ 通常サイズ 2,000円

 

「文教と公共の施設フェア2018」始まりました!

2018.7.19  お知らせ 

7月18日(水)から、東京ビッグサイトにて、
燦京堂が出展している「文教と公共の施設フェア2018」が
始まりました。

燦京堂はフェアの中の「文化財保存・復元技術展」に
出展中です(ブース番号:3Gー11)。

早速東京より初日の様子が届きましたので、少しご紹介します。



▲ブースも会場も大変賑わっています!

1月の名古屋2月の京都の出展に比べ、文化財のレプリカや
それにまつわる技術のご紹介を増やして展示しております。


▲もちろん書籍もたっぷりご覧頂けます。

本日も10:00よりブースでお待ちしております。

大変暑い中ですが、お手に取ってご覧いただけるものも
たくさんご用意しておりますので、フェアにご参加の方は
ぜひお立ち寄りください。

 

【7.24 追記】

おかげさまで7月20日をもちまして、文化財保存修復展への出展は
無事に終了いたしました!

ブースには様々な分野の方々にお越しいただき、弊社としても
非常に充実した3日間となりました。
お越しいただいた皆様には深くお礼を申し上げます。

引き続き、こうしたアピールの場を増やしていく所存ですので、
続報のチェックをよろしくお願いいたします!

 

『幡随意上人名号』の保存修復

2018.7.17  保存・修復のお仕事 

先日お知らせした「文化財保存・復元技術展」では、
再現度の高いレプリカや図録を主に展示する予定ですが、
今日は、複製ではない実物の文化財の修復の仕事の実例を
ご紹介したいと思います。

職人さんとの幅広いつながりが、美術品に対して
普通の印刷会社の枠を超えたアプローチをも可能にしています。

 

今回修復したのは、『幡随意上人名号』

戦国から江戸時代初期の浄土宗の僧・幡随意上人の名号(個人蔵)。

折れや破れといった損傷があり、大規模な修復が必要でした。
修復の様子を写真付きで解説していきます。


▲修復前の姿。

掛け軸は、巻いた状態で収納されるため、古いものは
このように横に折れが入ってしまうことがあります。


軸棒から外れるなど、裂(きれ、周りの布)部分にも損傷が見られます。

この掛け軸を、古い質感はそのままに、傷のない状態に
修復していこうと思います。

 

美術品を修復する場合、まずは解体してパーツごとに補強を
することが必要です。


▲解体された本紙と裂。

解体した紙や裂は、蒸留水で汚れをきれいに洗います。
大胆に見えますが、解体作業も全体に蒸留水を付けて慎重に行います。


修復には、傷ついた部分を補うだけでなく、古くなったパーツを
除去する作業も伴います。
上の写真は古い「肌裏打紙」を除いているところです。

掛け軸は、本紙への裏打2回、裂への裏打2回、全体への裏打1回と、
合わせて5回の裏打(裏紙を貼って補強すること)をします。
上の写真で交換しているのは、裂の「肌裏打紙(1回目の裏打)」です。

本紙・裂の肌裏打紙は必要なパーツなので、除去した後は新しいものに
付け替えます。

▲本紙への再裏打ちが終わりました。

ここからは、本紙の折れの補強に入ります。

白い筋が何本か見えますが、ここが紙が折れている部分です。
ライトボックスで透かしながら、傷に沿って丁寧に和紙で
裏側から補強していきます。
この工程を「折り伏せ入れ」と言います。


▲本紙の折り伏せ入れが終わりました。縦にも何本か折れ線が
入っているのがわかります。

この上から、「増裏打」と呼ばれる2回目の裏打ちを施します。


▲ここでは増裏打に適した「美栖紙」を使いました。

ここまで終わった本紙を、仮貼りにかけて
自然乾燥させます。

この間に、裂も同様に肌裏打紙の交換、折り伏せ入れから乾燥までを行います。

本紙と裂それぞれの自然乾燥が終わると、元の掛け軸の状態に
戻していく作業に入ります。


▲本紙周りに、元どおり裂を付けました。「付け廻し」という工程です。

付け廻しで本紙と裂をまとめると、全体に再び裏打ちをします。
これが「総裏打」、5回目の裏打ちです。


▲総裏打が終わると、再び仮貼りにかけてしっかり自然乾燥させます。

乾燥が終わると、「八双」と「軸棒」を取り付け、仕上げにかかります。

「八双」は掛け軸上部の棒、巻き終わった時に一番外にくる棒です。
「軸棒」は掛け軸下部の棒、掛け軸を巻く時に芯になる部分です。


▲軸棒を付け直したところです。
写真上部に本紙の表が少し見えていますが、折れがなく
綺麗な状態になっているのがわかります。

軸棒とその先につける軸先(上の写真、棒の端のこげ茶の部分)は、
修復前についていたものを再利用しましたが、八双は環の釘穴が
利用できないので新調しました。

▲風帯(掛け軸上部から2本下がっている細い布)を取り付けました。

上の写真の左端に、白くて太い筒が見えます。
これは「太巻き芯」といって、これを芯にして掛け軸を巻くことで、
再び掛け軸に折れが入ることを防ぐものです。
ポスターなどで試すとわかりますが、巻物は細く巻けば巻くほど
本体に大きな負担がかかってしまいます。太巻き芯を入れると、
巻きの直径が大きくなり、掛け軸にかかる力を最小限に
抑えることができるのです。
展示の際には現れませんが、掛け軸の保存にとって大切な道具です。

もともと収められていた桐箱も
太巻きが入る大きさで新調し、いよいよ完成です。

 

こちらが修復完了後の『幡随意上人名号』です。
本紙と裂の折れが取れただけではなく、水洗いにより
古い色は残しながらもすっきりとした印象になりました。

この掛け軸を新しい桐箱に入れ、
完全な状態で納めさせていただきました。

 

文化財の保存修復とは、「作られた当時の姿に戻す」ことよりも、
「状態を保ち、今以上の劣化を防ぐ」ことに重きが置かれます。
そのため、交換の必要のないパーツは引き続き使いますし、
交換する場合でもあえて古い色のものを選ぶなどします。
今回のように、洗い落とせる埃は落とし、清潔な状態に戻すことも大切です。
文化財が過ごしてきた長い時間を感じながらも、本来の状態に
近い姿を知ることができるようにするのが、保存修復作業の力です。

 

明日から始まる展示会では、サンエムカラー内で技術を
駆使して制作してきた印刷物たちをご紹介します。
『幡随意上人名号』はレプリカではなく貴重な文化財
そのものですので、実物を展示会などでご覧いただくことは
できないのですが、サンエムカラーの美術品に対する
向き合い方の一つとして、頭の片隅に
置いておいていただければ、と思います。

 

 

 

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