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カテゴリ:印刷職人、仕事中!

サンエムカラーの次世代複製画について

2019.7.18  印刷職人、仕事中!, 文化財 

一昨年作成した石山寺蔵「紫式部聖像」の複製画制作を皮切りに、泉屋博古館蔵「二条城行幸図」など、
サンエムカラーでは質感や光沢までも再現した次世代の複製画制作に取り組んでまいりました。

 

それは、平面なジークレーやただ凹凸のついた複製ではなく、画材や用紙の質感を再現したものです。

例えば日本画であれば、胡粉の盛り上がりや剥がれ、岩絵の具の粒状を感じる質感、
漉いた和紙の繊維感や打紙による平滑さ、金箔や金泥などを
長きにわたって複製画や美術書・写真集を手がけた技術によって再現しています。

この技法は、西洋画から現代アートでも応用が効き、最近では写真家横山隆平さまの作品を
銀の光沢とコールタールのような黒の質感を持った、グラフィティをテーマにした写真作品を制作いたしました。

これまで多くの複製画を手がけて来たサンエムカラーでは、
この質感まで再現した複製画を「KASANE GRAFICA」と名付け、多くの作家様の新たな表現方法として、
また存在感を持つ複製画を求める方にご利用頂けるよう準備を進めております。

あらゆる美術作品・文化財は、平面に見えて絵具やキャンバスなど素材の立体感が潜んでいます。
その質感は本物である存在感や空気感をまとう重要な要素と考えております。
これまで色や形を平面に表現する印刷に、質感を加える事で複製画の新たな領域に踏み込んで行きたい、
また、無限の表現力を持つこの技法を現代の作家に利用してもらいたいと考えております。

今回は予告告知ですが、この「KASANE GRAFICA」の表現力や事例について追ってご紹介できればと思います。

天使の里・霞中庵に訪問しました

2019.6.18  印刷職人、仕事中! 

6月14日(金)、松井会長、常務とともに嵯峨嵐山にあるボークスの美術館「天使の里・霞中庵」へ訪れました。

数ヶ月前、大垣書店京都本店で重田茜理様と松井会長が出会い、一度「天使の里・霞中庵」にお越しくださいとご招待を受けての訪問です。

 

重田様じきじきに館内を案内してくださりました。

大勢の天使たち(スーパードルフィー)にかこまれた別世界の空間に入りこめ、驚きと癒しをいただきました。

物作りを生業にし、京都に創業したボークスとサンエムカラー。

 

松井会長も重田様と意気投合していました。

今後も互いに刺激をもらいながら良いお付き合いができればと思います。

 

とても可愛らしいスーパードルフィーはこちらのホームページをごらんください。

 

天使の里・霞中庵のページはこちらです。

天使の里・霞中庵は会員制の施設です。ご注意ください。

 

営業 吉田

三影堂撮影芸術中心の写真家ユニット榮榮&映里様(ロンロン&インリ)と赤々舎の姫野様が来社されました

2019.6.11  印刷職人、仕事中! 

お忙しい中、ご来社いただきありがとうございます。

 

2007年に榮榮と映里は私財を投じて、北京の草場地芸術区の広大な土地に、
写真のための複合施設である「三影堂撮影芸術中心」を設立されました。

 

建築・デザインは、アーティスト「アイ・ウェイウェイ」によるもので、ギャラリーや暗室、
図書室、アーティスト・イン・レジデンスの設備を備えた施設を運営されています。

そんな、お二人もサンエムカラーの技術力に驚きの声を上げていらっしゃいました。

 

 

「三影堂」の名前は、「道は一を生み、一は二を生み、三は万物を生む」という老子の言葉に由来するそうです。

老子の教えが、心地よく感じとれるお二人でした。

京都造形芸術大学の学生の皆様が会社見学に来られました

2019.5.24  印刷職人、仕事中!, 会社見学 

5月23日(木)に京都造形芸術大学、美術工芸学科の神谷徹准教授と3・4回生の学生の方々、計11名が会社見学にお越しになられました。

会長の松井から挨拶があり、「印刷とは自然との戦いや」と、印刷が湿度や気温などその時の気候に影響を受けやすいことや、綺麗な印刷をしたいという思いからサンエムカラーの「燦・エクセル・アート印刷の8K」ができたことなどの話をしました。

 

その後、サンエムカラーと刷り師松井勝美を紹介した、DVD「匠の世界」を視聴していただきました。

 

本社5階にある展示室にて、サンエムカラーで印刷した作品のレプリカや写真集、アートブック、展覧会のグッズなどの完成品を見ていただき、印刷物がどのように完成していくかを順番に見学していただきました。

 

CDC事業部にて、画像の修正から面付けまでを説明。

ギガ・ピクセル・アートスキャナーも見学していただきました。普通のカメラやスキャナーでは撮れない凹凸のデータや、それを元に印刷した凹凸のある印刷物に学生さんたちは大変興味を持っておられました。

 

 

本社ビルから印刷工場へ移動。工場にて、完成した面付けデータをアルミの版に焼く刷版の工程を見学。その後、印刷機の油性とUVの違い、8色機の説明や、印刷の時に色がちょっとしたことで変化することなどの説明をし、会社見学は終了しました。

 

 

授業時間内での見学だったこともあり、もっと説明したいことがたくさんありましたが、駆け足気味な会社見学となってしまいました。

神谷徹准教授、3・4回生の学生の皆様、お疲れ様でした。

 

営業部 白石

摺師・松井勝美 等伯の襖絵を刷る

2015.4.27  印刷職人、仕事中! 

代官山ヒルサイドテラスで開催中の「等伯のナラティブアート A Narrative Art of Tohaku」の配布資料の印刷。
弊社相談役でもある摺師・松井勝美が腕をふるいます。

等伯のナラティブアート1

等伯のナラティブアート2

松井は、現場では誰よりも厳しい親分的存在。
現場にも緊張感が走ります。

等伯のナラティブアート3

印刷機は、今年3月に導入したばかりのリョービMHI製・LED-UV仕様の新型機。
刷版はアグフア・ゲバルト社のAzura TSを使用。
プロセス4cに加えて古色を刷り込み、深みのある作品に刷り上げました。

等伯のナラティブアート4

陽の光が差し込む南禅寺天授庵の一室に、長谷川等伯筆〈禅機図〉の一場面が浮かび上がります。
さりげない印刷物の中に、当社の技術の粋が結集しています。

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「等伯のナラティブアート A Narrative Art of Tohaku」
4月25日~5月6日
代官山ヒルサイドテラス ヒルサイドフォーラム

5月2日(土)13:00~のトークイベントには、松井勝美が参加予定です。
是非、お越しくださいませ。