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カテゴリ:職人技としての色再生

職人技としての色再生 その4

2009.6.16  雑記エトセトラ, 職人技としての色再生 

印刷の仕事

製版・刷版の後工程が、印刷になります。
インキや紙、印刷機など物理的な性質を取り扱いますので、
色を安定させるのは容易なことではありません。

そのため、湿度や気温など印刷場の環境維持や、
湿し水周りの定期的なメンテナンスは欠くことのできない要因です。
同時に先端のシステム・機器を用いた品質管理はもちろん、
当社では特に、きめ細かいインキの管理によって、ドットゲインを安定させています。

また印刷機には自動版替装置がありますが、
当社ではあえて複数のオペレータによる手作業で版替えを行なっています。
それはそれぞれのオペレータが印刷機械に触れることで
異常をいち早く感じ取る為でもあります。

こうしたアナログ的手法のよさを生かしたワークフローを採用することの一方で、
日々印刷現場の効率化を行なっています。

いま印刷現場では、カラーマネージメントや濃度管理などの標準化を行なうのが一般になっています。
当社ではさらにそこに、むかしながらの職人技としてのきめ細かい印刷機の調整や
インキ調整を加えていきます。
このような手作りの色再生としての印刷を大切にしていきたいと考えています。

ちなみに「+DESIGNIND 2008.7」では、
サンエムカラ-の印刷の秘密がさらに詳しく掲載されています。
ぜひ読んでみてくださいね。

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印刷職人のしごとば

特集:色とロゴデザイン
サンエムカラ-「色再現とロゴカラーをコントロールするための印刷知識」
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職人技としての色再生その1
職人技としての色再生その2 「プリンティングディレクター(PD)の仕事vol.1」
職人技としての色再生その3 「プリンティングディレクター(PD)の仕事vol.2」

◆印刷の発注、及びお問い合わせ、はサンエムカラーHPまでどうぞ。

職人技としての色再生 その3

2009.6.16  職人技としての色再生 

プリンティングディレクター(PD)の仕事 vol.2

受け取ったデータ・原稿は、印刷用の版を作成する製版部に入稿されます。
このときPDは、「誰が読んでも同じように判断できる、誤解の無い明瞭な言葉の」
文書での指示書を作成します。
用紙をはじめとする印刷条件によっては、クライアントサイドが作成したデータでは
望む色が出ない場合があります。このようなときは、印刷条件を踏まえながら、
CMYKの数値を変更し、色見本どおりの色が出るデータ作成の指示をします。

製版の仕事:色校正前のプルーフ校正と本機校正

入稿時の意図により近い色校を初校として提出できるように、
クライアントに提出する前に社内でのプルーフ校正を一段階はさみます。
初校から赤字を極力少なくするためです。
完成度の高い色校正を提出することが、
再現精度の高さには必要なことであると考えています。

また色校正はすべて本機(最終的な本刷りと同じ印刷機)で行なっているのも当社の特徴です。
本機校正と言えば、時間と手間がかかる高級校正という印象が強いですが、
わたしたちは、「刷りやすい版」にこだわるがゆえに本機校正を行なっています。
「刷りやすい版」が結局良い品質の印刷物につながると考えているからです。

刷りだし時点で、求められる色が印刷できる版でないと判断すれば製版に戻して作り直します。
「印刷段階で色を調整するために、インキを盛るなどして濃度を変更するには限界があります。
ここで無理をしても、印刷のぶれ幅が大きくなって、結局品質が安定しないためです。

初校が満足のいく仕上がりであれば、
あとは、製作の意図をくみつつ、校了まで細部の修正を加えて、
より良い品質表現を追及していきます。

職人技としての色再生その1
職人技としての色再生その2 「プリンティングディレクター(PD)の仕事vol.1」
職人技としての色再生その4 「印刷の仕事」

◆サンエムカラーHPはこちら

職人技としての色再生 その2

2009.6.16  職人技としての色再生 

プリンティングディレクター(PD)の仕事 vol.1

多くの写真家・デザイナー・アートディレクターの方々の思い描く
色の再現のために欠くことのできない存在として、
当社にはプリンティングディレクター(PD)の存在があります。

長年にわたる経験及び専門的な知識を踏まえながら、
直接クライアントへの対応にあたります。
入稿時、クライアントサイドの表現したい意向を汲み取り、
製版の方向性や印刷の注意点などを具体的な指示に変換して、
各部署に伝える翻訳者のような立場がプリンティングディレクターの仕事です。

特に大切なのは、全体の方向性を定めて現場に伝達することです。
例えばメリハリのある色調にしたいのか、柔らかなトーンを再現したいのかなど、
この方針に沿って印刷が仕上がるよう、最後までコントロールしていきます。

職人技としての色再生その1
職人技としての色再生その3 「プリンティングディレクター(PD)の仕事vol.2」
職人技としての色再生その4 「印刷の仕事」

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職人技としての色再生 その1

2009.6.16  職人技としての色再生 

サンエムカラーはいま、色再現の分野において
多くの写真家やデザイナー・アートディレクターといった人たちから
厚い信頼をもらえるようになってきた。

それは、
まずなによりも関ったクライアントの方々、
およびその人たちの作品を書店やギャラリーで、
実際に手にとって見てもらった人たちの、
一つ一つの評価の積み重ねなんだろう。

そして、その評価を客観的に裏付けるものとして、
各種のイベントやなんかで、
数多くの審査員の方々に注目してもらい、
その結果、
東京都知事賞木村伊兵賞を受賞するという結果につながった。

印刷の仕事というのは、内容はそれぞれ違うけれど、
作業としては同じ手順の繰り返しということができるだろう。
だから、マンネリ化に陥りやすいし、
現在市場に流布している安価な印刷物のように、
紙に色をつければいい、
といったふうな大量生産の流れ作業によって生産することができる。

その結果品質は二の次で安くなかったらいらないよ、という風潮が
蔓延するようになってきて、
チラシの印刷と図録の印刷が同じように扱われてしまって、
まさに「悪貨は良貨を駆逐する」状況になってきた感が否めない。

そんな中で、私たちはプリンティングディレクターを擁し、
一件一件の仕事へのアプローチの仕方を大切にしている。
レディメイドの印刷物ではない、
一人ひとりに対するオーダーメイドの印刷物を作り出すことを目指していて、
まさに一期一会の精神なのだ。

流れ作業の大量生産では対処できない難しい仕事が、
つぎつぎと持ち込まれてくる。
同じ手順の繰り返しで印刷を創るといっても、
案件毎にこれまでにない問題点が次から次に出てきて
日々トラブルの連続と言っても過言ではない。

これにどう対処していくかが大切な仕事で
試行錯誤を繰り返す中で、常に技術を磨いていかなないと、
時代に必要とされなくなってしまう。

今まで経験したことの積み重ねの上に立って、
そこにとどまることはないけれど
常に技術の向上を目指して、挑戦する姿勢を持ち続けながら
満足いく色創りを目指していかないといけない。

職人技としての色再生その2 「プリンティングディレクター(PD)の仕事vol.1」
職人技としての色再生その3 「プリンティングディレクター(PD)の仕事vol.2」
職人技としての色再生その4 「印刷の仕事」

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