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100年先の人々に京文化を伝えるラグジュアリーマガジン『京都百年書 Issue 01 瓢亭』を印刷

2023.10.19  展覧会・イベント情報, 印刷作品アーカイブ, お知らせ  ,

紙印刷の価値を極めた100部限定の豪華本

京都初のアートマガジン『京都百年書 Issue 01 瓢亭』が刊行されました。サンエムカラーでは印刷を担当しています。

「本質を守りながら時代に合わせて変わり続け、受け継がれる京文化の〝今〟を記録し、100年先の人々に京文化を伝えること」をコンセプトに創刊。100年先に文化を残していくために、紙に印刷された本によって記憶に残していく試みになります。

第一号は、京都・南禅寺畔で400年近く店を構える老舗料亭「瓢亭」の日常を紹介した一冊です。

本書では「瓢亭」に縁のある事柄を盛り込んでいます。表紙は阿波和紙。京焼が2客付きなど、料理に使われた素材や道具、ゆかりのものを本に貼り込み、視覚だけでなく五感で楽しめる仕掛けがお楽しみいただけます。

「五感」に働きかけ、記憶に残りやすい本


本書は、「 文化を知る。世界を変える。」をスローガンに、京都の文化を世界に発信するウェブメディア< THE KYOTO >と、写真集や美術書に定評のある出版社 赤々舎と青幻舎の創業者が手がける< PURPLE>が、共同で企画、制作。

100年先の人々に京文化を伝えることを目的としています。 空気までも映しだす〈瓢亭〉の懐石料理コース全品の美しい写真とともに、素材や道具、ゆかりのものを丁寧に貼り込んでおり、手ざわり感を大切にした世界限定100冊の極められた一冊となっています。

さらに14代 当主 高橋英一氏が絵付け、作陶は龍谷窯 宮川香雲、監修は15代当主 高橋義弘が行った京焼「京焼刷毛目瓢箪銘々皿」が2客付き。

明治15年に建てられた数寄屋造りの新席でみられる土壁を表現した表紙の阿波和紙は、藁が美しく浮き出た土壁と同素材。西陣で採れる希少な聚楽土と藁を混ぜて漉き込まれており、随所に、京の伝統と技が光っています。

デジタル化の急速な進展に伴い、様々な業界でペーパーレス化が進んでいる。広告や新聞、雑誌など更新される情報はさらに電子化が進み、これからは「紙に印刷する意味」が問われるだろう。特別な存在になろうとしている紙印刷された本は、手触りや香りなど「五感」に働きかけ、記憶に残りやすいという特徴を持つ。保存性の高い紙を使えば、数百年、数千年と保存することもできる。『京都百年書』は、そんな紙印刷の価値を極めた一冊である。遠い未来において、希少価値の高い手法で、人々の記憶に残し、伝承していく。この本が、紙印刷の価値を感じる機会となれば幸いです。

『京都百年書』ウェブサイトより引用
https://pr.kyoto-np.jp/exhibition/kyoto-century/

刊行を記念して『THE KYOTO』でインタビュー記事「瓢亭当主親子が挑む京料理の未来『京都百年書』刊行」が掲載されています。
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/thekyoto/1118268

 

瓢亭当主による京焼が本に付属

瓢亭14代当主の髙橋英一氏が絵付けをし、宮川香雲氏が作陶したオリジナル京焼付き。

京焼・茶の湯道具を3代にわたって手がける龍谷窯 宮川香雲氏が作陶した皿に、瓢亭14代当主の髙橋英一氏が瓢箪の図柄を絵付けした限定品を特別に製作。二人の直筆サインと落款も添えた、『京都百年書』でしか手に入らない銘々皿2客と共にお届けします。

 

新規オープンした「京都 蔦屋書店」でトークイベント開催

2023年10月17日に開業した京都髙島屋S.C.の5・6階に、「京都 蔦屋書店」がオープン。「京都 蔦屋書店」は、『アートと文化の「伝統と最先端」が共振し、その価値を高め合うような場を創る』をコンセプトとして、歴史に裏打ちされた伝統とカッティングエッジなカルチャーを幅広く提案することを目指した書店です。

京都 蔦屋書店で『京都百年書』は展示販売されています。お値段のするアートブックですので、まずはお手に取ってください。

また、トークイベントも開催されますので、歴史ある京都の文化のラグジュアリーな側面を知りたい方は足を運んでいただけましたら。


【イベント】『京都百年書Issue01 瓢亭』発売記念トークイベント

京都 南禅寺畔〈瓢亭〉の懐石料理を、視覚だけでなく五感で楽しむアート本『京都百年書 Issue01 瓢亭』。 この作品集の発刊を記念して、〈瓢亭〉第14代当主 髙橋英一氏、第15代当主 髙橋義弘氏、作品集に付く京焼「京焼刷毛目瓢箪銘々皿」を作陶した宮川香雲氏のトークイベントを開催いたします。貴重なこの機会にぜひご参加くださいませ。

日時:2023年10月26日(木) 11:00~12:00(10:30受付開始)
場所:京都 蔦屋書店 6階シェアラウンジイベントスペース

詳細はこちら
https://store.tsite.jp/kyoto/event/t-site/36346-1131041006.html

書誌情報

『京都百年書 Issue 01 瓢亭』

仕様:450×290mm/A3横変型/52頁/100部限定(エディションナンバー付き)※エディションナンバーはお選びいただけません。/京焼刷毛目瓢箪銘々皿 2客付き(作陶:龍谷窯 宮川香雲、絵付:瓢亭 髙橋英一、監修:瓢亭 髙橋義弘)
価格:165,000円(税込)
発行日:2023年10月17日
企画・制作:合同会社PURPLE(姫野希美)、THE KYOTO(佐藤寛之)
構成・編集:GRAfts・小池友紀
アートディレクション・デザイン:GRAfts
執筆:小池友紀
写真:蛭子真
翻訳:横田典子
英文編集:Kelly Waldron・Derek Wilcox
印刷:株式会社サンエムカラー・&PAPERS(有限会社マルシゲ紙器)
協力:龍谷窯 宮川香雲 
発行人:安田英樹
発行:合同会社PURPLE
〒604-8261 京都府京都市中京区式阿弥町122-1 式阿弥町ビル 3階
Tel. 075-754-8574 Fax. 075-606-4059
http://www.purple-purple.com

雑誌『デザインのひきだし』50号にサンエムカラーの印刷物が掲載

2023.10.13  雑誌に掲載されました, 印刷作品アーカイブ, お知らせ  , ,

各印刷会社から送られてきた印刷物を製本した一冊


デザイン雑誌『デザインのひきだし』の50号の特集は、100社176種類の実物サンプルを収録した、厚さ10cm、重さ約3kgの超特大号!

サンエムカラーも、実物サンプルを2点掲載させていただいています。

今回の『デザインのひきだし』は、各印刷会社の得意とする印刷技法を用いた印刷物を、100社分集めて製本した内容になります。特殊な印刷がまとめて楽しめるという、本づくりの可能性を広げる一冊になっています。そしてビックリするほど分厚い3冊のセットです!

デザインのひきだし50 特集「現代日本の印刷加工大全」

日本全国の印刷加工会社100社の「自社の一番得意な印刷加工」サンプルが全176種類入った、世界中どこを探しても無い印刷加工見本帳の決定版。自分の発想したデザインを、いかに効果的に印刷/加工表現するか。そんなデザイナーに必須な印刷・紙・加工などの技術情報をわかりやすく紹介する『デザインのひきだし』。

50号となる今号の特集は【現代日本の印刷加工大全】。「あなたの会社の一番得意な印刷加工を教えてください!」という問いに応えてくれた、日本全国の印刷加工会社がつくった実物サンプルをすべて収録。活版印刷から箔押し、シール印刷、オフセット特色6色印刷、多色スクリーン印刷、偏光パール印刷、擬似エンボス、銅版印刷、コールドフォイル、リソグラフ、和紙への印刷、レインボーフィルム貼り、合紙、Vカット……などなど、多種多様な印刷加工がすべて見られます!
https://www.graphicsha.co.jp/detail.html?p=52033

展覧会のブックレットとアートブックの印刷を再現して掲載



サンエムカラーは、以前に印刷を担当した「池田亮司展」ブックレット、YOSHIROTTEN『SUN BOOK』から1ページずつを掲載しています。

「池田亮司展」ブックレットは、サンエムカラー独自の印刷技術「燦・エクセル・アート(印刷の8K)®」を用いて、通常よりも細かい印刷を行っています。池田亮司の繊細な作品の魅力を伝えています。

YOSHIROTTEN『SUN BOOK』は、JetPressを高濃度でプリントするサンエムカラーならではの設定を行い、濃密な一枚になっています。YOSHIROTTEN本人に印刷を納得いただいたアートブック。そこからページを選定いただきました。

著名なアーティストによる作品を通して、他の印刷との質感の違いを手に取って実感いただけたらと思います。印刷のご依頼もお待ちしております。

「池田亮司展」ブックレット

フランス・パリと日本を拠点に国際的に活躍するアーティスト/作曲家である池田亮司(1966-)は、テクノロジーを駆使し、光や音を用いて鑑賞者の感覚を揺さぶる没入型の作品を数多く発表してきました。本展では、2009年以来となる国内美術館での大規模な個展として、新作を含む近年の池田の活動を展観します。

作品解説や展示風景写真を収録した展覧会ガイドブック(日英バイリンガル)です。吉竹美香氏による論考のほか、バーバラ・ロンドン氏による作家へのインタビューを掲載しています。https://www.hirosaki-moca.jp/exhibitions/ryoji-ikeda/



SUN BOOK by YOSHIROTTEN

本作品集「SUN BOOK」は限定365部が制作され、表紙は12種類のバリエーションを持っています。デザインはYOSHIROTTEN本人が手掛け、印刷は国内最高峰の印刷技術を誇るサンエムカラーが担当。表紙や裏表紙、小口はメタリックに統一され、約6cmもある背表紙は糸かがりという剥き出しのような仕様に。中面はプロジェクトのコンセプトに合わせ、365点のアート作品が日付と共に印刷されています。その佇まいはまさにオブジェと言い得るクォリティ。かつて誰も目にしたことのない、そしてこれからも目にすることのないであろう前代未聞のアートブックが誕生しました。
https://sunproject.ydst.io/


今回掲載した印刷物のゲラです。左が池田亮司、右がYOSHIROTTON。

過去にも『デザインのひきだし』に掲載

サンエムカラーが以前の『デザインのひきだし』は下記になります。古書店などでお手に取ってみてください。

『デザインのひきだし』27号
https://dhikidashi.exblog.jp/25276518/

『デザインのひきだし』34号
https://www.sunm.co.jp/topics/news/published/2039

『デザインのひきだし』35号
https://twitter.com/yukiakari/status/1050622695052726273

書誌情報

デザインのひきだし50

特集「現代日本の印刷加工大全」

発売日:2023年10月刊行
仕様:B5 並製 総160頁
定価:3520円(10%税込)
ISBN:978-4-7661-3743-9
分類コード:C3070

https://www.amazon.co.jp/dp/4766137434

 

画家・松村咲希の作品集をサンエムカラーのオンラインショップで販売開始

2023.10.11  作品制作, お知らせ  ,



想像力を刺激する躍動的なペインティング作品

画家・松村咲希さんの2019〜2023年の作品、活動、寄稿がたっぷりとつまった112ページのボリューム、限定400冊のドイツ装の本として完成しました。鮮やかな色彩、立体感、数々のプロジェクトアーカイブをお楽しみください。

松村さんは、最近は福岡や金沢での個展の他に、OIL ART MARKET 2023 DMOARTS、D-art,ART2023 松坂屋名古屋店、アート大阪2023、Art Fair Philippine 2023、ART MARKET TENNOZ 2023、ONE ART TAIPEI 2023などのアートフェアに出展。また作品がドラマに使われるなど、活躍中の作家さんです。


こちらから購入可能です。サンエムカラーのアートブックプロジェクトの一冊になります。
https://www.sunm.co.jp/shopping/458.php

書誌情報

「Saki Matsumura」
112ページ
著者:松村咲希
寄稿:美術評論家・色彩研究 三木学、keshik.jp <http://keshik.jp> ディレクター 黒田純平
寄稿文英訳:イアン・サトル
装丁・デザイン:北原和規(UMMM)
印刷ディレクション:木村 浩(サンエムカラー)
印刷:サンエムカラー
製本:新日本製本
2023年10月6日:第1刷発行
限定400冊

プロフィール

松村咲希
1993年 長野県生まれ
2017年 京都造形芸術大学大学院ペインティング領域修了
現在、京都在住

アクリル絵具を使用して、ペインティング、シルクスクリーン、ステンシルなどの複数の技法を組み合わせ、鮮やかな色彩や凹凸など様々な要素がぶつかり調和しあう、絵画ならではの空間性を持った作品を描く。

https://sakimatsumura.jimdofree.com/

 

 

 

関連展 松村咲希個展「絵肌にシュプール」

現在、個展も会期中ですので、実際の作品を鑑賞されたい方は是非!

個展に合わせたインタビュー動画です。制作風景も収録されています


松村咲希個展「絵肌にシュプール」

会期:2023年10月6日(金)〜 21日(土)12:00〜19:00 
休館日:10月9日(月)、15日(日)
会場:GALLERY SCENA.
https://gallery-scena.com/
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6丁目15-17クレストコート神宮前1F

シュプールとは、スキーで滑った跡のことです。長野県野沢温泉村で生まれ育った松村咲希は、雪山やスキーが身近な存在でした。最近、久しぶりに帰郷した彼女は、自分の作品はこの場所の風景も無意識に表現してるのかも、と至ったそうです。松村咲希の作品は、スピード感があります。画面を走る白いラインが印象的で、確かにシュプール=痕跡が表れています。今回、個展を開催するにあたり、彼女は、改めて自身の作品と自身の人生の軌跡を見つめ直しました。

https://gallery-scena.com/exhibition/matsumura-saki-2023/

京都での視聴覚芸術の展覧会「AMBIENT KYOTO」にサンエムカラーが協力

2023.10.6  展覧会・イベント情報  , , ,



音楽を中心にした京都の新しい展覧会

10月6日から開始となる、視聴覚芸術の展覧会「AMBIENT KYOTO 2023」に、サンエムカラーは協力をしています。

AMBIENT KYOTOは、昨年2022年、第1回目として、アンビエントミュージックの創始者ブライアン・イーノの展覧会「BRIAN ENO AMBIENT KYOTO」を、京都を舞台に開催し成功を収めました。

第2回目となる「AMBIENT KYOTO 2023」は、日本が世界に誇るアーティスト、坂本龍一、高谷史郎、コーネリアス、バッファロー・ドーター、山本精一による作品が出展されます。展覧会の会場は、昨年と同様、京都中央信用金庫 旧厚生センター、京都新聞ビル地下1階の2会場で行われます。

サンエムカラーでは、本展の広報物とグッズの一部(ポスターとステッカー)を製作しています。

「AMBIENT KYOTO 2023」内覧会の様子

著名なミュージシャンのライブも開催

今年は会期中にライヴを開催します。アンビエント・ミュージックに多大な影響を与えた、ミニマル・ミュージックの巨匠テリー・ライリーが、東本願寺・能舞台で10月13日(金)と14日(土)にライヴを行います。

今回のキー・ヴィジュアルを手掛けたのは、アイスランド出身の世界的バンド、シガー・ロスのアルバム『Takk…』などのアートワークを手掛けてきたアレックス・ソマーズ。ロゴデザインは、グラフィックデザイナー、田中せりが担当しています。

このように、音楽(アンビエントミュージック)にまつわるプロフェッショナルが京都に集う展覧会になります。

アンビエントとは

アンビエントミュージックは、オンラインの辞典には下記のように書かれています。ゆったりとしたリラックスできる曲調が特徴です。

アンビエント‐ミュージック(ambient music)
作曲家や演奏者の意図を主張したり、聴くことを強制したりせず、空気のように存在し、それを耳にした人の気持ちを開放的にすることを目的にした曲。シンプルで静かなメロディーを繰り返すものが多い。英国の音楽家ブライアン=イーノが1970年代に提唱。環境音楽。

視覚だけでなく、聴覚も楽しめる展覧会になるので、芸術の秋を楽しむひとときになるかと思います。ぜひご来場ください。

 


前回のプロモーションムービー。空間全体を展示作品として捉える体験ができます

 

関連展「アレックス・ソマーズ個展」

AMBIENT KYOTO 2023のキーヴィジュアルを制作したアレックス・ソマーズの個展が、10月14日(土)から10月31日(火)まで開催されます。

会場は、京都のヴィーガンカフェ Stardustが手がけるギャラリー Elbereth。

古い和紙に印刷された、アレックスによるキーヴィジュアルを含めた全16作品が、アンティーク・フレームに額装され、展示・販売され、サンエムカラーが印刷を担当しています。アレックスによる映像作品も展示されます。

 

「AMBIENT KYOTO 2023」開催概要

AMBIENT KYOTO 2023(アンビエント・キョウト2023)

参加アーティスト:
[展覧会] 坂本龍一 + 高谷史郎、コーネリアス、バッファロー・ドーター、山本精一
[ライヴ] テリー・ライリー、コーネリアス
[朗読] 朝吹真理子

会場:
①京都中央信用金庫 旧厚生センター(展覧会)
②京都新聞ビル地下1階(展覧会)
③東本願寺・能舞台(ライヴ)
④国立京都国際会館 メインホール(ライヴ)

会期:
2023年10月6日(金)- 12月24日(日)*休館日:11月12日(日)、12月10日(日)
テリー・ライリーのライヴ実施日:10月13日(金)、10月14日(土)
コーネリアスのライヴ実施日:11月3日(祝・金)

開館時間:9:00-19:00 入場は閉館の30分前まで

https://ambientkyoto.com/

主催:AMBIENT KYOTO 2023 実行委員会(TOW / 京都新聞 / Traffic / 京都アンプリチュード)
企画・制作:TOW / Traffic
協力:文化庁 / α-station FM KYOTO / 京都 METRO / 株式会社サンエムカラー / Olfactive Studio Ne
後援:京都府 / 京都市 / 公益社団法人京都市観光協会 / FM COCOLO
音響機材協賛:Genelec Japan / ゼンハイザージャパン / Bose / 静科
映像機材協賛:bricks & company / Magnux
技術協力:パナソニック株式会社
協賛:Square
広報協力:HOW
特別協力:京都中央信用金庫

 

関連展「アレックス・ソマーズ個展」開催概要

アレックス・ソマーズ個展

開催期間:10月14日(土)〜10月31日(火)営業時間:12:00 – 18:30

会場:Elbereth / エルベレス  京都市北区紫竹牛若町1-2

http://stardustkyoto.com

https://www.instagram.com/elbereth_stardust

https://www.instagram.com/stardust_kana/

 

「T3 Photo Festival Tokyo」での「Print House Session」に10月8日9日に出展します!

2023.10.3  お知らせ, 作品制作, 業務実績, 展覧会・イベント情報  , , ,

印刷所とデザイナーのコラボレーション

サンエムカラーとデザイナーが一緒に制作した写真集がフォトフェスで販売されます。

2023年10月に東京駅周辺で開催される、屋外型国際フォトフェスティバル「T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO」。その中で、写真集に特化したブックフェア「Print House Session」が10月8日、9日に行われます。

このブックフェアでは、4つの印刷会社と4人のデザイナーがタッグを組み、写真家・奥山由之さんの冊子をそれぞれ作るプロジェクト「Print House Session」が開催。

奥山由之さんから写真作品「windows」を提供していただき、それを4つのチームが独自の解釈で編集制作し、Photobook JPの開催期間の2日間、作品を限定販売するというプロジェクトです。

制作過程をブログで公開

印刷会社4社をメインに、写真集を同時に制作するという珍しいプロジェクト。サンエムカラーならではの写真集をイベントの開催日までに作ることになりました。

サンエムカラーが主催者に紹介されてチームを組むことになったのは、現代美術関連で活躍中のデザイナー岡﨑真理子さん
Print House Sessionのnoteに、制作過程の記事が公開されていますので、ご覧ください。

印刷会社紹介 サンエムカラー

サンエムカラー×岡﨑真理子

サンエムカラー × 岡﨑真理子 その2

 

完成した写真集「OPTICAL TACTILITY / WINDOWS」


こちらが完成した冊子です。透明な質感のガラスや細かい網戸の質感をプリント。


「OPTICAL TACTILITY / WINDOWS

判型:A4
頁数:32p
綴じ方:中ミシン綴じ
用紙:表紙 G-PET L判 200μ
   本文 SA金藤+ 菊 93.5kg (四六135kg)
印刷方式
本文:デジタルプレス Jet Press 750S
表紙:カサネグラフィカ(UVプリント)
価格:2200円(税込)

奥山由之さんによる窓ガラスを大量に撮影した写真群「windows」を、窓ガラスの質感や、窓ガラス越しに抽象化する室内の見え方を再解釈して制作しました。表紙と本文の異なる冊子が3種類あり、合計限定500部です。
表紙は、作品内の型ガラス、すりガラス、網戸の質感を取り出し、UVプリンタで再現しています。ガラスを再現した質感のある透明な表紙を捲ることで、光沢や像のボケ、モアレなどの変化をお楽しみいただけます。
本文は、ガラスの質感にフォーカスしたレタッチを大胆に施しています。
製本は、銀糸を用いた中綴じミシンで、表紙の硬いペット素材ごと縫って製本しました。



 

デザイナー岡崎真理子さんのコメント

「奥山さんによる「windows」の大量の写真データをいただいて、その中から今回のアートブック用のセレクトをしていく段階で、セレクトから印刷まで何か一貫した方針を持って特定の視点にフォーカスしたものが作れないかと考えました。
「windows」の写真群は、「不透明の窓」という一つの切り口で切り取られていながら、まさに東京の街のような雑多な集合体で、それが魅力の作品でもあると思います。既に発行されている写真集でその魅力は十分に表現されていると思ったので、今回はかなり大胆に偏りのあるセレクトと印刷をして、全く違う側面からこの写真群の魅力を掬い出せないかと考えました。
タイトルの「Optical Tactility」とは光学的触覚というような意味で、目で見ているのに触っているような感覚を得られるようなものを目指しました。ガラスの向こう側の情報量が少なく抽象的に見えるもの、手前が明るくて奥が暗い光環境のもの、ガラスや網戸などが触覚的に特徴のあるものなど、見る人がテクスチャにフォーカスしやすい写真のみを意図的に選び、サンエムカラーさんとの対話の中で、それらの写真を表現するのに最適な印刷方法が決まっていきました。
触覚性を強調するように印刷技術を駆使した表紙は、ガラスや網戸のレイヤーが写真から抜き取られ、文字通り触れる物質として表現されています。一方本文は、サンエムカラーさん独自のチューニングを施されたジェットプレス機を使い、ガラスの凹凸や、反射/透過する光などを強調した、「目で触る」ようなイメージ群になっています。
サンエムカラーさんとお仕事したのはこれが初めてだったのですが、写真の中から特定のテクスチャのみを抜き出す技術や、細やかなレタッチなど、印刷技術のみならずそこに至るまでの画像処理の技術の高さにも感激しました。
とても楽しいセッションでした! 色々な方に手にとっていただきたいです」

サンエムカラー・プリンティングディレクター大畑のコメント

「ガラスや網戸の質感にフォーカスし、赤々舎さまから発刊された写真集『windows』とはまた違った視点の一冊になったと思います。岡崎さんのアイデアとサンエムカラーの技術がピタッとハマった感じになりました。ぜひ手にとって表紙を触ったり、開いたり閉じたりしてみてください」

サンエムカラー・プリンティングコーディネーター寺本のコメント

「奥山さんの写真を岡﨑さんが大胆に解釈し、印刷も弊社で絶賛売り出し中のレアな機械を使って作りあげたzine!! かなり素敵にできあがってきています! ずっとワクワクしながら作りました」



こちらメイキング動画になります。現場の臨場感をお楽しみください。

印刷会社4社と4人のデザイナー

サンエムカラーの他に参加する印刷会社とデザイナーは下記になります。こだわりのある印刷会社と活躍中のデザイナーが制作中した冊子が会場で購入できます。

東京印書館 田中義久

LIVE ART BOOKS  /  上西祐理

山田写真製版所 Aaron Nieh


Print House Sessionの運営は、写真専門の書店flotsam booksと、写真専門の出版レーベルroshin booksが務めま
す。2019年にも開催され、前回のブログはこちらです。

会場への来場が難しい方は、セット販売になりますが、オンラインで購入できます。

今回販売される冊子は、各社ともに一押しの印刷技術を用いて制作しているので、どれも一見の価値ありです。なお、当日の会場ではブックフェアや展示も行われますので、さまざまな写真表現に触れることができます。

写真に興味ある方は会場で手にとっていただけましたら幸いです。

Print House Session開催情報


「T3 Photo Festival Tokyo」

日時:2023年10月8日(日) – 9日(月)11:00-17:00
会場:東京スクエアガーデン 1F 貫通路 
〒104-0031 東京都中央区京橋3-1-1
http://tokyo-sg.com/access/
ウェブサイト:https://t3photo.tokyo/

Print House Session関連展示

今回、Print House Sessionに参加する印刷会社LiveArtが、ギャラリー「LAG(LIVE ART GALLERY)」を2023年9月より神宮前にオープンしました。Print House Sessionとのコラボレーション展「「Print House Session x Yoshiyuki Okuyama x LAG」」を10月13日(金)から開催です。T3に参加できなかった方は、こちらにぜひ。

「Print House Session x Yoshiyuki Okuyama x LAG」

2023年10月13日(金)-11月11日(土)
会場:LAG(LIVE ART GALLERY)/ 〒151-0001 東京都渋谷区神宮前2-4-11 Daiwaビル1F

https://www.live-art-books.jp/lag/exhibition/print-house-session/

Art Direction of Exhibition:上西祐理
ArtBook Collaboration Project:
サンエムカラー x 岡崎真理子
東京印書館 x 田中義久
山田写真製版所 x Aaron Nieh
LIVE ART BOOKS x 上西 祐理

協力:roshin books, flotsam books, サンエムカラー、東京印書館、山田写真製版所

【LAGイベント開催のお知らせ】

奥山由之 x 上西祐理 トークイベント
会場:LAG(LIVE ART GALLERY)
日時:2023年10月21日(土)13:00-予定

定員:限定50名
お申込み方法等の詳細は、追ってWEB/SNSにてお知らせ致します。

https://www.instagram.com/lag_liveartgallery/