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100年先の人々に京文化を伝えるラグジュアリーマガジン『京都百年書 Issue 01 瓢亭』を印刷

2023.10.19  お知らせ, 印刷作品アーカイブ, 展覧会・イベント情報  ,

紙印刷の価値を極めた100部限定の豪華本

京都初のアートマガジン『京都百年書 Issue 01 瓢亭』が刊行されました。サンエムカラーでは印刷を担当しています。

「本質を守りながら時代に合わせて変わり続け、受け継がれる京文化の〝今〟を記録し、100年先の人々に京文化を伝えること」をコンセプトに創刊。100年先に文化を残していくために、紙に印刷された本によって記憶に残していく試みになります。

第一号は、京都・南禅寺畔で400年近く店を構える老舗料亭「瓢亭」の日常を紹介した一冊です。

本書では「瓢亭」に縁のある事柄を盛り込んでいます。表紙は阿波和紙。京焼が2客付きなど、料理に使われた素材や道具、ゆかりのものを本に貼り込み、視覚だけでなく五感で楽しめる仕掛けがお楽しみいただけます。

「五感」に働きかけ、記憶に残りやすい本


本書は、「 文化を知る。世界を変える。」をスローガンに、京都の文化を世界に発信するウェブメディア< THE KYOTO >と、写真集や美術書に定評のある出版社 赤々舎と青幻舎の創業者が手がける< PURPLE>が、共同で企画、制作。

100年先の人々に京文化を伝えることを目的としています。 空気までも映しだす〈瓢亭〉の懐石料理コース全品の美しい写真とともに、素材や道具、ゆかりのものを丁寧に貼り込んでおり、手ざわり感を大切にした世界限定100冊の極められた一冊となっています。

さらに14代 当主 高橋英一氏が絵付け、作陶は龍谷窯 宮川香雲、監修は15代当主 高橋義弘が行った京焼「京焼刷毛目瓢箪銘々皿」が2客付き。

明治15年に建てられた数寄屋造りの新席でみられる土壁を表現した表紙の阿波和紙は、藁が美しく浮き出た土壁と同素材。西陣で採れる希少な聚楽土と藁を混ぜて漉き込まれており、随所に、京の伝統と技が光っています。

デジタル化の急速な進展に伴い、様々な業界でペーパーレス化が進んでいる。広告や新聞、雑誌など更新される情報はさらに電子化が進み、これからは「紙に印刷する意味」が問われるだろう。特別な存在になろうとしている紙印刷された本は、手触りや香りなど「五感」に働きかけ、記憶に残りやすいという特徴を持つ。保存性の高い紙を使えば、数百年、数千年と保存することもできる。『京都百年書』は、そんな紙印刷の価値を極めた一冊である。遠い未来において、希少価値の高い手法で、人々の記憶に残し、伝承していく。この本が、紙印刷の価値を感じる機会となれば幸いです。

『京都百年書』ウェブサイトより引用
https://pr.kyoto-np.jp/exhibition/kyoto-century/

刊行を記念して『THE KYOTO』でインタビュー記事「瓢亭当主親子が挑む京料理の未来『京都百年書』刊行」が掲載されています。
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/thekyoto/1118268

 

瓢亭当主による京焼が本に付属

瓢亭14代当主の髙橋英一氏が絵付けをし、宮川香雲氏が作陶したオリジナル京焼付き。

京焼・茶の湯道具を3代にわたって手がける龍谷窯 宮川香雲氏が作陶した皿に、瓢亭14代当主の髙橋英一氏が瓢箪の図柄を絵付けした限定品を特別に製作。二人の直筆サインと落款も添えた、『京都百年書』でしか手に入らない銘々皿2客と共にお届けします。

 

新規オープンした「京都 蔦屋書店」でトークイベント開催

2023年10月17日に開業した京都髙島屋S.C.の5・6階に、「京都 蔦屋書店」がオープン。「京都 蔦屋書店」は、『アートと文化の「伝統と最先端」が共振し、その価値を高め合うような場を創る』をコンセプトとして、歴史に裏打ちされた伝統とカッティングエッジなカルチャーを幅広く提案することを目指した書店です。

京都 蔦屋書店で『京都百年書』は展示販売されています。お値段のするアートブックですので、まずはお手に取ってください。

また、トークイベントも開催されますので、歴史ある京都の文化のラグジュアリーな側面を知りたい方は足を運んでいただけましたら。


【イベント】『京都百年書Issue01 瓢亭』発売記念トークイベント

京都 南禅寺畔〈瓢亭〉の懐石料理を、視覚だけでなく五感で楽しむアート本『京都百年書 Issue01 瓢亭』。 この作品集の発刊を記念して、〈瓢亭〉第14代当主 髙橋英一氏、第15代当主 髙橋義弘氏、作品集に付く京焼「京焼刷毛目瓢箪銘々皿」を作陶した宮川香雲氏のトークイベントを開催いたします。貴重なこの機会にぜひご参加くださいませ。

日時:2023年10月26日(木) 11:00~12:00(10:30受付開始)
場所:京都 蔦屋書店 6階シェアラウンジイベントスペース

詳細はこちら
https://store.tsite.jp/kyoto/event/t-site/36346-1131041006.html

書誌情報

『京都百年書 Issue 01 瓢亭』

仕様:450×290mm/A3横変型/52頁/100部限定(エディションナンバー付き)※エディションナンバーはお選びいただけません。/京焼刷毛目瓢箪銘々皿 2客付き(作陶:龍谷窯 宮川香雲、絵付:瓢亭 髙橋英一、監修:瓢亭 髙橋義弘)
価格:165,000円(税込)
発行日:2023年10月17日
企画・制作:合同会社PURPLE(姫野希美)、THE KYOTO(佐藤寛之)
構成・編集:GRAfts・小池友紀
アートディレクション・デザイン:GRAfts
執筆:小池友紀
写真:蛭子真
翻訳:横田典子
英文編集:Kelly Waldron・Derek Wilcox
印刷:株式会社サンエムカラー・&PAPERS(有限会社マルシゲ紙器)
協力:龍谷窯 宮川香雲 
発行人:安田英樹
発行:合同会社PURPLE
〒604-8261 京都府京都市中京区式阿弥町122-1 式阿弥町ビル 3階
Tel. 075-754-8574 Fax. 075-606-4059
http://www.purple-purple.com