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カテゴリ:業務実績

「富士山展3.0 ー冨嶽二〇二〇景ー」に浅井コレクション作品がデジタル展示されました

2020.1.8  お知らせ, 文化財 

スタートバーン株式会社が主催する「富士山展3.0 ー冨嶽二〇二〇景ー」にて、
サンエムカラーがデジタルアーカイブを行った浅井コレクションの
浮世絵作品が、8Kモニタによるヴァーチャルミュージアム展示がされました。

仮想空間の美術館に、富士山にまつわる浮世絵作品を自身で操作しながら、
鑑賞できます。
高解像度アーカイブなので、拡大して作品の隅々まで鑑賞いただけます。
1月17日まで開催しておりますので、ぜひお立ち寄りください。

〒600-8412
京都府京都市下京区二帖半敷町647 オンリー烏丸ビル1F
the gallery @ engawa KYOTO
1月7日(火)~1月17日(金)
9:00 – 21:00
土・日・祝:休館
展覧会HP  https://fujisanten.com/
ギャラリーHP  https://engawakyoto.com/

テンションファブリック広告ポスターを制作しました

2019.12.19  SunM Color News, 業務実績 

二条城の近くでスポーツ関連商品・健康グッズを販売しておられる、
846YAJIRO 二条離宮店 で巨大な広告ポスターを制作しました。

従来の電飾看板はコルトンやフィルムに印刷されたものを使用しますが、
今回のテンションファブリックの広告ポスターは、布に印刷します。

ただ美しいというだけでなく、次のようなメリットあります。
今後の運用方法も含め、ご検討されてはいかがでしょうか。

□ 張り替え作業に専門業者を必要としない

□ 使用済みの広告も省スペースで保管でき、季節ごとに定期的に張り替えることも可能

□ 災害時に破壊された場合、割れたりせず怪我をしにくい→ 防炎素材を使用することも可能

□ フレームギリギリまで画像部があるので美しい

□ A3サイズから長辺が数十メートルまでサイズも豊富

□ 照明がLEDなので運用コスト低減


▲テンションファブリック設置前


▲テンションファブリック設置後


▲出力の様子


▲お店の外から見ても迫力のある電飾看板となりました。

846YAJIRO 二条離宮店は有名アスリートも訪れるお店です。
気軽にお立ち寄りください!

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846YAJIRO 二条離宮店 

住所:〒604-8266
京都市中京区三坊堀川町61-3

TEL : TEL:075-231-8460

OPEN: 11:00

CLOSE:19:30

定休日:木曜日

HP:http://846yajiro.com

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中国済南市ご一行 会社見学来たる

2019.8.29  会社見学 

先月中国済南市で開催された第2回中国済南市世界新創業コンテストで2等賞を獲得した日本のサンエムカラーへ、まだ残暑がきびしい8月25日午前、同市の担当者の方々が会社見学に来られました。

済南市党書記クラスの人が1名、同市局長クラスの人が3名、他にも市の関係の方を含めて計8名にのぼる視察団です。

松井会長の挨拶

まずは当社最上階の大会議室にてあいさつを交わし、その後会長の松井勝美みずからが先頭に立って各フロアを案内します。当社自慢の逸品が並ぶ各展示室、また最近新しく導入設置した大判UVインクジェットプリンターの出力デモンストレーション、そして印刷工場に移動してもらって、今回のご縁になった8K印刷の実演作業も見てもらいました。

説明を熱心にのぞき込む

当社の最新鋭機スイスQ製立体プリンターです

4号機で8K印刷のデモンストレーション

中国山東省済南市は、その辺りに興った魯の国から「論語」を説いた孔子が出たりして、古代から高い文化が隆盛したところで、数多くの文化美術品を擁しています。サンエムカラーの8K印刷の技術で、この貴重な文化的遺産を次代に残していくのにぜひ力を貸してほしいと、一国の責任を担って日本にやって来られた面々です。わずか2時間の短いご滞在でしたが、皆さんすごく熱心に説明を聞いたり、機械を見たりされていました。

日中おみやげの交換式

皆さん中国の人特有のおおらかなフレンドリーさがあります。今回オブザーバーとして同行された駐日人民政府事務所の方の通訳を介し、当社出席社員とのコミュニケーションも良好でした。

最後、全員で屏風前にて記念撮影

サンエムカラーの次世代複製画について

2019.7.18  印刷職人、仕事中!, 文化財 

一昨年作成した石山寺蔵「紫式部聖像」の複製画制作を皮切りに、泉屋博古館蔵「二条城行幸図」など、
サンエムカラーでは質感や光沢までも再現した次世代の複製画制作に取り組んでまいりました。

 

それは、平面なジークレーやただ凹凸のついた複製ではなく、画材や用紙の質感を再現したものです。

例えば日本画であれば、胡粉の盛り上がりや剥がれ、岩絵の具の粒状を感じる質感、
漉いた和紙の繊維感や打紙による平滑さ、金箔や金泥などを
長きにわたって複製画や美術書・写真集を手がけた技術によって再現しています。

この技法は、西洋画から現代アートでも応用が効き、最近では写真家横山隆平さまの作品を
銀の光沢とコールタールのような黒の質感を持った、グラフィティをテーマにした写真作品を制作いたしました。

これまで多くの複製画を手がけて来たサンエムカラーでは、
この質感まで再現した複製画を「KASANE GRAFICA」と名付け、多くの作家様の新たな表現方法として、
また存在感を持つ複製画を求める方にご利用頂けるよう準備を進めております。

あらゆる美術作品・文化財は、平面に見えて絵具やキャンバスなど素材の立体感が潜んでいます。
その質感は本物である存在感や空気感をまとう重要な要素と考えております。
これまで色や形を平面に表現する印刷に、質感を加える事で複製画の新たな領域に踏み込んで行きたい、
また、無限の表現力を持つこの技法を現代の作家に利用してもらいたいと考えております。

今回は予告告知ですが、この「KASANE GRAFICA」の表現力や事例について追ってご紹介できればと思います。

鈴木敦子写真集「Imitation Bijou」

2019.7.11  印刷作品アーカイブ 

鈴木敦子写真集「Imitation Bijou」が完成しました。

 

表紙のサイズが縦15.5cm、横11.6cmと小さめなこの作品。

表紙を開くとさらに一回り小さい本文が現れます。

 

表紙はさらに開き、飯沢耕太郎氏による鈴木敦子さんの写真の評論が書かれています。

 

本文には淡々と鈴木さんの写真が掲載されています。

 

 

 

今回、鈴木さんとデザイナーの相島さんとの初打合せでどのような写真集を作りたいのか、お話を伺ったところ、製本が今よりも複雑なものでした。

 

アートブックの製本では前例がない仕様を作家やデザイナーから提示されることは珍しいことではありません。しかし、物理的なことやコストの関係など必ずしも最初に提示された仕様通りの本ができるとは限りません。

 

そのことをお二人に伝え、何度か製本会社と試行錯誤し今回の製本になりました。

 

 

本文の印刷にかんしては、テスト校正、初校はFMスクリーンで進行していました。

AMスクリーンよりも色域が広く鈴木さんの作品の中にある印象的な色を再現したかったからです。

 

しかし、最終的にAMスクリーンで本刷りを行いました。これは鈴木さんの作品の変化のあるグラデーションがFMスクリーンでは色転びしてしまい、うまく印刷できなかったからです。

 

AMスクリーンで印刷した結果、オリジナルプリントに近い印刷に仕上がりアートブックとしての完成度が高まったと思います。

 

 

冒頭にある飯沢氏の評論に「いい匂いのする小箱」というとても印象的なフレーズが書かれています。

 

この小さなサイズだからこそ鈴木さんの思いが最大限に伝わるのかもしれません。

 

 

 

今回、通常版の他にSpecial Editionとして限定30部でアクリルケースにオリジナルプリントと本をセットした仕様も作成。

 

オリジナルプリントは3種類あり、各10部限定になっています。プリントの裏には鈴木さんのサインも入っています。

 

 

くわしくは版元のDOOKSページをご覧ください。

 

また、7月12日(金)から東京都現代美術館で開催されるTOKYO ART BOOK FAIR 2019にて初お披露目とのことなので実物を見てみたい方は是非、会場へ足を運んでください。

 

 

Art Book Director  前川