印刷職人のしごとばTOPICS

京都の匠が生み出す、伝統と革新のストーリー

2022.4.5  お知らせ 

サンエムカラーでは、京都府商工労働観光部の「シルクテキスタイル・グローバル推進コンソーシアム」事業のツールとして、『THE “KYOTO”MEISTER COLLECTIONカタログ』を製作しました。

                                                                 

京都が誇る伝統産業「西陣織」「京友禅」「丹後織物」の匠たちが生み出した逸品を、

空間や建築などに新たな提案を行うために、製作されたカタログです。

匠の職人技と最新のテクノロジーが融合したカタログとして、

京都×伝統工芸を想起させる高級感あるイメージのデザインとなっております。

カタログの各ページには、QRコードがあり、それをスマートフォンなどで読み込むことで、関連のコンテンツ映像や詳しい情報、

そして、生地の質感までも感じられる、超高精細画像を閲覧することができます。

                                   

印刷では、サンエムカラーが生み出した、匠の技=“燦・エクセル・アート(印刷の8K)®︎ ”を採用し、京都の匠が繰り広げる伝統の世界を、見事に紙面の上に写し出すことができました。

そして、特筆されるのは、厚さ1mm近くある極厚板紙、  スノーブルーFS #620 用紙を採用しております。

この紙を初めて、当社のハイデルベルグ・スピードマスター印刷機に通しました。この極厚紙を通すために、印刷機の整備を繰り返し行い、万全を期して本刷りに挑みました。

印刷機は、4,000/時間 回転という超低速で、「ガタン、ガタン」という今までに聞いたことのない、重厚な音を響かせながら、懸命に回っていました。

 

『THE “KYOTO”MEISTER COLLECTIONカタログ』

発行:「シルクテキスタイル・グローバル推進コンソーシアム」事務局

京都府商工労働観光部 染織・工芸課 様

企画:野原ホールディングス株式会社 様・MPUF 様

制作・印刷・製本:株式会社サンエムカラー

京都精華大学の学生さんとインターンを実施いたしました!

2022.2.14  お知らせ 

20217月より、京都精華大学デザイン学部の学生 大谷日南さんをインターン実習生として受け入れました。

前期では大谷さんの作品をもとに、サンエムカラーのギガピクセル・アートスキャナやカサネグラフィカ、燦・エクセル・アートなど、それぞれの工程からどんな表現ができるのか実習していただきました。

ギガピクセル・アートスキャナと画像処理
大谷さんは、精細な点や線を手描きの作品を制作しており、それをデジタルに落とし込む挑戦からはじめました。
スキャンでは、細線や点描が潰れないように解像度や配置を調整しながらスキャンをしていきました。
画像は印刷に向けて画像処理をしていきます。点描の濃淡や密度の調整をして、印刷したとき原画の印象に近づくように処理されています。

▲スキャンした状態(左)モニターで調節した状態(中央)印刷用に調整した状態(右)

オフセット印刷
デジタル化の次は、精細な画像をオフセット印刷で再現するテストをしました。
燦・エクセル・アート(1000線)を含めた複数の印刷方法でテスト印刷を行いました。
175線、FMスクリーン印刷、1000線印刷、1000線のグレー3色印刷の4パターンで印刷し、細線や色の出かたなどを見比べていきます。紙も様々な種類のものに印刷して、どのような差がでるのか見てもらいました。

▲さまざまな用紙や網点の違いを確認しました。

カサネグラフィカ
カサネグラフィカでは、インクの厚盛やニスを使って原画とは違った表現を試みました。
線の印象や凹凸の見え方を比べ、作品に合うデータづくりをしてもらいました。

▲黒い紙に白インクとニスで出力しています。画像上のテストはニスでツヤっとしています。

大谷さんの作品は点や線がとても細かく繊細で、どこまで再現ができるのかサンエムカラーとしても貴重な経験となりました。

インターンについて詳しくは、大谷さんに作成いただいた前期インターンレポートを御覧ください。前期のインターンの内容がつまった大ボリュームのレポートとなっております。

前期インターンレポート PDF

後日、後期レポートも公開予定です。


後期のインターンで印刷された作品は
京都精華大学 卒業作品展(2022216日~20)で出展されます。
ぜひご覧ください。※会場は事前予約制となっております。

京都精華大学 卒業作品展についての詳細情報につきましては
下記ホームページをご参照ください。
https://seikaten.kyoto-seika.ac.jp/

 

【冬季休業のお知らせ】

2021.12.24  お知らせ 

平素は格別のご愛顧賜り心より御礼申し上げます。

株式会社サンエムカラーは、誠に勝手ながら20211226()から202214()まで冬季休業とさせていただきます。休業期間中のお問い合わせ等に関しましては、15()より順次対応させていただきます。

ご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解の程よろしくお願い申し上げます。

朝日新聞朝刊にて、サンエムカラーの記事が掲載されました

2021.12.4  お知らせ 

12月4日(土曜日)の朝日新聞朝刊にてサンエムカラーが紹介されました。

関西地域限定の地域面にて、高い技術力を誇る関西の企業が登場する「近畿の底ぢから」というコーナーです。

サンエムカラーが共同開発をした超高精細印刷「印刷の8K」の紹介に弊社代表取締役会長である松井勝美が登場しました。

記者の方から取材を受けた際に松井は伝えたい情熱、想いが多く、今回の紙面では掲載できないほど膨大な量の情報を記者の方に熱く語っておりました。その膨大な情報量を限られた紙面の中でスマートにまとめていただいた、朝日新聞の記者の方には感謝しています。

 

今回の記事では掲載されていませんが、共同開発を一緒にさせていただいた企業様を紹介させていただきます。

ハードウェア面において、印刷の際に、使用する版を出力する装置を株式会社SCREENグラフィックアンドプレシジョンソリューションズ様に印刷をする際の版を富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ様にそれぞれ提供を受け共同開発いたしました。

サンエムカラーがこれまで、培ってきた印刷のノウハウと画像処理技術を駆使し、このハイスペックな装置・資材の性能を引き出しほかに類を見ない世界で唯一の超高精細印刷「印刷の8K」を駆使し、さらに精進していきます。

大橋翠石筆「蹲虎之図」複製

2021.12.4  お知らせ, 印刷作品アーカイブ, 文化財 

インペリアル・エンタープライズ株式会社様からのご依頼で、大橋翠石筆「蹲虎之図」複製の本紙印刷をサンエムカラーが担当しました。監修・解説は美術史家の村田隆志先生です。

今回複製画を製作させていただいた「蹲虎之図」は、明治天皇に献上された渾身の大作の貴重な大下図です。大下図とはいえ、本画同様の精緻な描き込みがされており、圧倒されるような迫力があります。

複製画の製作は、サンエムカラーの高解像度スキャナで原本をスキャンする工程から始まります。

原本と照合し、何度も画像処理をおこなって、原本と同じ和紙に印刷することで、原本の雰囲気を再現しています。

今回製作させていただいた複製画は、インペリアル・エンタープライズ株式会社様にて販売されています。
掛軸に仕立てたものと、飾り額に額装されたものからお選びいただけます。
限定500点の販売となりますので、令和初の寅年となる2022年の床飾りにいかがでしょうか。