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職人技としての色再生 その1

2009.6.16  職人技としての色再生 

サンエムカラーはいま、色再現の分野において
多くの写真家やデザイナー・アートディレクターといった人たちから
厚い信頼をもらえるようになってきた。

それは、
まずなによりも関ったクライアントの方々、
およびその人たちの作品を書店やギャラリーで、
実際に手にとって見てもらった人たちの、
一つ一つの評価の積み重ねなんだろう。

そして、その評価を客観的に裏付けるものとして、
各種のイベントやなんかで、
数多くの審査員の方々に注目してもらい、
その結果、
東京都知事賞木村伊兵賞を受賞するという結果につながった。

印刷の仕事というのは、内容はそれぞれ違うけれど、
作業としては同じ手順の繰り返しということができるだろう。
だから、マンネリ化に陥りやすいし、
現在市場に流布している安価な印刷物のように、
紙に色をつければいい、
といったふうな大量生産の流れ作業によって生産することができる。

その結果品質は二の次で安くなかったらいらないよ、という風潮が
蔓延するようになってきて、
チラシの印刷と図録の印刷が同じように扱われてしまって、
まさに「悪貨は良貨を駆逐する」状況になってきた感が否めない。

そんな中で、私たちはプリンティングディレクターを擁し、
一件一件の仕事へのアプローチの仕方を大切にしている。
レディメイドの印刷物ではない、
一人ひとりに対するオーダーメイドの印刷物を作り出すことを目指していて、
まさに一期一会の精神なのだ。

流れ作業の大量生産では対処できない難しい仕事が、
つぎつぎと持ち込まれてくる。
同じ手順の繰り返しで印刷を創るといっても、
案件毎にこれまでにない問題点が次から次に出てきて
日々トラブルの連続と言っても過言ではない。

これにどう対処していくかが大切な仕事で
試行錯誤を繰り返す中で、常に技術を磨いていかなないと、
時代に必要とされなくなってしまう。

今まで経験したことの積み重ねの上に立って、
そこにとどまることはないけれど
常に技術の向上を目指して、挑戦する姿勢を持ち続けながら
満足いく色創りを目指していかないといけない。

職人技としての色再生その2 「プリンティングディレクター(PD)の仕事vol.1」
職人技としての色再生その3 「プリンティングディレクター(PD)の仕事vol.2」
職人技としての色再生その4 「印刷の仕事」

◆サンエムカラーHPはこちら

原研哉が語る多彩な黒

2009.6.12  雑誌に掲載されました 

印刷職人のしごとば

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BIOSOPHIA of BIRDS 鳥のビオソフィア
西野 嘉章 編|上田 義彦 写真
A4変形|168頁|上製|アートディレクション|原研哉
PD:谷口倍夫(サンエムカラ-)
2008年3月発売|15,750 円 (本体15,000 円 +税)
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ONE HUNDRED STONEWARES 百石譜
西野 嘉章 編|上田 義彦 写真
A4変形|184頁|上製|アートディレクション|原研哉
PD:谷口倍夫(サンエムカラ-)
2008年3月発売|18,900 円 (本体18,000 円 +税)
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印刷職人のしごとば

【デザインの現場 08.APRIL】号では、
アートディレクションを担当された原研哉氏が「多彩な黒」について、
また巧みな印刷設計について語っていらっしゃいます。
目の前に迫ってくるような黒の再現は、
アートディレクターとサンエムPDとの協力によって生まれました。

本作品では、黒の幅を広げるべく(「多彩な黒」を再現すべく)
4色分解とFMスクリーンで、黒の最大値を再現することを目指しました。
スミ100%を1回重ねるだけでは出し得ないギラギラとした黒。
背景の黒はC90%M85%Y85%K100%で印刷し、
さらに20ミクロンの極小ドットのFMスクリーンで刷り、
色のにごりが心配される濃淡部分も鮮やかに再現することに成功しています。

また、本作品は第43回造本装幀コンクール」で東京都知事賞を受賞し、
高い印刷技術を評価されています。

印刷職人のしごとば

東京大学出版会HP-BIOSOPHIA of BIRDS
東京大学出版会HP-ONE HUNDRED STONEWARES
◆BIOSOPHIA of BIRDS 東京都知事賞受賞のニュース記事はこちら
◆サンエムカラ-への問い合わせはこちら

岡本尚文 沖縄01外人住宅

2009.6.11  印刷作品アーカイブ 

印刷職人のしごとば-沖縄01外人住宅
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岡本尚文写真集 『沖縄01外人住宅』
280x280(版型)|80頁|上製
PD:谷口倍夫(サンエムカラー)
ライフ・ゴーズ・オン刊|5,250円(本体5,000円+消費税)
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沖縄とアメリカ。それは、沖縄の人々が自主的に選び取ったものではなく、
戦争と占領によって強制的に出会わされた。
そして、60年以上たった今も続く「占領」と暴力。
アメリカとの間で、逆説的に産まれた「文化」。
そして、沖縄と写真を思考すること。
その始まりとしての「沖縄01『外人住宅』」。(岡本 尚文HPより抜粋)

当社のPD(プリンティングディレクター)がたずさわり、
本作品の空気感を大切に、版に焼き付ける作業を重ねた作品のひとつ。
ぜひ、手にとって見てください。

◆岡本尚文HP
※購入はコチラから。
エルオンラインでも紹介されました。

原研哉 デザインのデザイン DESIGNING DESIGN

2009.6.9  印刷作品アーカイブ 

印刷職人のしごとば-DESINING
____________________________________________原研哉 デザインのデザイン
上製|アートディレクション:原研哉
2003年10月発売||7,770円(本体7,400円+消費税)
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いつもお世話になっている日本デザインセンターの原研哉氏の書籍。
デザインをするということはどういうことか、
コミュニケーションとは何か、
自身の言葉で丁寧に語られています。

文章と写真で構成された美しい造本は、
デザインとはなにかということへの答えのように感じます。
数年まえのことですが、美しい書籍が完成しました。
織り上げられた作品を、最終的に形にする印刷行程。
サンエムカラーに任せて頂いて、とても幸栄です。

その他の日本デザインセンターさんとのお仕事も
おいおいご紹介していきます。
お楽しみに。

◆日本デザインセンター原研究所
◆amazonで購入する

殿村任香 母恋・ハハラブ

2009.6.8  印刷作品アーカイブ 

印刷職人のしごとば
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殿村任香 母恋・ハハラブ
A4変型|134頁|上製|帯文:荒木経惟|アートディレクション:中島英樹
2008年10月発売||4,410円(本体4,200円+消費税)
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闇との不倫。
荒木経惟氏による帯文の言葉です・
モノクロームの中から浮かび上がる母の赤裸々な姿。
女として、母としての。
モノクロの世界と対峙しつづける写真家、殿村任香の処女写真集。

印刷としては、黒にこだわった魅せる一冊。
モノクロの世界も奥深い。
フィルムに焼き付いた漆黒の世界をどのように版に焼き付けるか。
ここでもサンエムの印刷技術をごらん頂けます。

◆赤々舎HP-殿村任香 母恋・ハハラブ-