印刷職人のしごとばTOPICS

カテゴリ:雑記エトセトラ

まったりする風景

2009.6.26  雑記エトセトラ 

印刷職人のしごとば-katsuragawa


この風景、うちの会社の裏側、ある夕方の様子です。
桂川に畑に、でかい空。
ちなみにこの畑に植わっているものは、京野菜だったりします。
この川をチャリであがって20分くらい行くと、桂離宮があります。
毎日この河原沿いをチャリで往復する毎日。
満員電車にゆられていたあの頃が嘘みたい…

まあ、なんともまったりする風景。
ぜひ一度おこしやす、とでもいいたくなる場所です。

そういえば、さっき画像室で赤塚不二夫先生の「ひみつのあっこちゃん」の
なま原稿を見てしまいました…。
興奮…。

印刷職人のしごとば-印刷女子

ダブルトーン

2009.6.23  雑記エトセトラ 

印刷職人のしごとば-印刷用語辞典


ダブルトーンとは?

若い頃は、耳から入ってくる音楽を何度か聴いているうちに
自然に口ずさんでいると言うことがあったけれど、
最近は体が受け付けなくなっているみたいで
ほとんど「新しい音楽」が覚えられない。

でも、なつかしい歌はたくさんあって
ユーミンの「卒業写真」はそんななかの1曲だ。
個人的にはどちらかというと、
ファイファイセットの山本潤子さんの歌、という感じがする。
YouTubeに大村憲司のギターで山本潤子がうたう
「卒業写真」がでているけどなかなかいい。

学校のアルバムといえば、
幼稚園や小学校から高校・大学の卒業のときに
もらっていたものだった。
最近は少子化の影響をうけているのと、それに加えて
アルバムを購入するのが本人の任意になっていることもあって
部数が減少してきている。
そういったこともあって以前に比べると
制作のコストがものすごくかかるようになってしまった。

サンエムカラ-でもよく注文をもらう卒業アルバムだけれど、
だれでも1冊くらいは持っているにちがいない。
その中の顔写真はたいていダブルトーンで印刷されているよ、といえば
なるほど、と思い当たる人がいるだろう。

墨1色刷りだと平坦で深みに欠けるけれど、
主版をスミ、補色版をグレー(グレーといってもいろんな種類がある)で印刷すると、
ハイライト寄りの中間の諧調を補うことができるし、
アンダー部も2色のインキが乗るので、ダブルトーンを使えば、
より深みのある微妙な墨色が表現できる

深みのある墨色を表現するために
モノクロ写真と言っても、4色(分解)で印刷することもある。
ただ、この場合モアレが出たり色が転びやすいので、
一般にはダブルトーン(あるいはトリプルトーン)で印刷することになる。
印刷職人のしごとば-語り手印刷親父

製版・刷版・版下

2009.6.19  雑記エトセトラ 

印刷職人のしごとば-印刷用語辞典

製版・刷版・版下とは?

製版というのは印刷するための「刷版(さっぱん)」を作るための作業工程のことで、
この「刷版」は印刷機にセットする大きなハンコのようなもので、
アルミ素材でできている。いまの製版はほとんどがデータ化されていて、
パソコンのデータを直接「版」にすることができる。
これをCTP(Computer to plate)と言って、巨大なプリンタと思ってもらえればいい。

従来のアナログ製版と比べると、

1.刷版上の網点再現が良く、品質が安定する。
2.作業工程が短縮されるために時間も短縮される。
3.廃液・廃材が少なく環境にやさしい。

なんかがが挙げられる。

「版下」はデザインされた原稿のことで、これを元に製版作業を進めていく。
いまは版下もほとんどがデータ化されて、
デザイナーがパソコンで制作するのが一般的。

イラストレーターやクォーク・インデザインなどが
主なレイアウトソフトだけれど、
そういったものを使ってデザイナーが作成したデータは、
そのまま製版行程に使用されるので、
制作者の意図が製版・印刷に伝わりやすいし
短時間で高品質な印刷物ができあがる。

でもこれが弊害となることもあって、
入稿がぎりぎりになって後工程にしわ寄せが来ることになりかねない。
版下データの中にはクライアントの意向通りに印刷再現できないものもあって、
そういう時は製版工程でニーズに添った方向でデータを加工していく。

今の印刷では、製版のウエイトが大きくなっていて、
製版の出来が印刷の出来に大きく影響するようになっている。
「デザイナーが作成したデータは、そのまま製版行程に使用される」といっても、
たとえばたいていがRGBのデータで作成しているので、
CMYKデータに変換しないといけない。

このとき、CMYKの色の表現領域が狭いのでRGBデータと比較すると
くすんで見えたり、諧調が低下したり色相が変更になったりする。
そんなわけで印刷用のデータにするためには様々な加工が必要で、
製版工程で技術者が手をくわえることになる。

印刷職人のしごとば-語り手印刷親父

職人技としての色再生 その4

2009.6.16  雑記エトセトラ, 職人技としての色再生 

印刷の仕事

製版・刷版の後工程が、印刷になります。
インキや紙、印刷機など物理的な性質を取り扱いますので、
色を安定させるのは容易なことではありません。

そのため、湿度や気温など印刷場の環境維持や、
湿し水周りの定期的なメンテナンスは欠くことのできない要因です。
同時に先端のシステム・機器を用いた品質管理はもちろん、
当社では特に、きめ細かいインキの管理によって、ドットゲインを安定させています。

また印刷機には自動版替装置がありますが、
当社ではあえて複数のオペレータによる手作業で版替えを行なっています。
それはそれぞれのオペレータが印刷機械に触れることで
異常をいち早く感じ取る為でもあります。

こうしたアナログ的手法のよさを生かしたワークフローを採用することの一方で、
日々印刷現場の効率化を行なっています。

いま印刷現場では、カラーマネージメントや濃度管理などの標準化を行なうのが一般になっています。
当社ではさらにそこに、むかしながらの職人技としてのきめ細かい印刷機の調整や
インキ調整を加えていきます。
このような手作りの色再生としての印刷を大切にしていきたいと考えています。

ちなみに「+DESIGNIND 2008.7」では、
サンエムカラ-の印刷の秘密がさらに詳しく掲載されています。
ぜひ読んでみてくださいね。

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印刷職人のしごとば

特集:色とロゴデザイン
サンエムカラ-「色再現とロゴカラーをコントロールするための印刷知識」
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職人技としての色再生その1
職人技としての色再生その2 「プリンティングディレクター(PD)の仕事vol.1」
職人技としての色再生その3 「プリンティングディレクター(PD)の仕事vol.2」

◆印刷の発注、及びお問い合わせ、はサンエムカラーHPまでどうぞ。