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カテゴリ:印刷作品アーカイブ

待望の続編!『ENCYCLOPEDIA OF FLOWERSⅡ 植物図鑑』

2015.3.27  印刷作品アーカイブ 

2012年に初版が発行され話題となった青幻舎さんの『ENCYCLOPEDIA OF FLOWERS 植物図鑑』。
形も色もさまざまな植物をフラワーアーティスト・東信さんがアレンジし、
写真家・椎木俊介さんが写真に収めた美しい作品集です。

前作から約2年半、
待望の第2弾『ENCYCLOPEDIA OF FLOWERSⅡ 植物図鑑』が発行となりました!

前作を上回る544ページの大ボリュームで、巻末には掲載されたすべての植物名のリストがついています。

植物図鑑Ⅱ表紙

フラワーアーティストとして、日々植物たちの命と向き合う東 信さん。
東さんとともにオートクチュールの花屋を営み、植物たちにカメラを向ける椎木さん。
「植物図鑑」は、人間の欲望のままに生まれては消えてゆく植物への敬意を込めて制作されました。
そして、その取り組みを継続的なものにするべく制作されたのが、今回の第2弾。
作品のコンセプトを捉え直し、新たな撮影手法や構成が取り入れられています。

赤

緑

3

4

色とりどりの植物でうめつくされたハイコントラストな画面は、色彩の宝箱のよう。

印刷は前作の品質を上回るべく、何回もテスト刷りを行い、用紙特性とインキ濃度のバランスを徹底追及しています。
ひとつひとつの植物の繊細な表情をとらえながら、迫りくるような色彩と立体感を表現しました。

5

シンプルでインパクトのあるブックデザインは、原研哉さん率いる日本デザインセンター 原デザイン研究所。

是非とも、お手にとってご覧ください。

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『ENCYCLOPEDIA OF FLOWERS Ⅱ 植物図鑑』
アートワーク=東 信
写真=椎木 俊介

発行 青幻舎
デザイン 原研哉+松野薫+西朋子(日本デザインセンター 原デザイン研究所)
印刷 サンエムカラー
プリンティングディレクター 谷口倍夫(サンエムカラー)
仕様 B5変型判並製本 544ページ
定価 3200円+税
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写真集の印刷なら、サンエムカラーにお任せください。

川島小鳥写真集『明星』、木村伊兵衛賞受賞!

2015.3.25  印刷作品アーカイブ 

写真家・川島小鳥さんが、写真集『明星』(ナナロク社)で第40回木村伊兵衛写真賞を受賞されました!


第40回木村伊兵衛写真賞受賞者発表

優れた成果を上げた新人に贈られる木村伊兵衛賞は、写真界の芥川賞とも言われるとても重要な賞です。
川島さんとともに受賞されたのは『絶景のポリフォニー』『okinawan portraits 2010-2012』(赤々舎)の石川竜一さん。
それぞれ台湾と沖縄が撮影地なので南国つながりと言えますが、その作風は対照的なお二人です。
川島さん、石川さん、関係者の皆さま、おめでとうございます!

ということで本日は、サンエムカラーが印刷を担当させていただいた『明星』をご紹介いたします。
前作「未来ちゃん」発表後、台湾を舞台に3年間をかけて撮りためた写真から構成。
少年少女のさまざまな表情にカメラを向けます。

表紙

製本

パステル調にポップなタイトルがかわいい表紙。変わった形をしていますが、中身はタテページとヨコページを組み合わせた変則製本。装丁デザインは佐々木暁さんです。

プリン

少女

すいか

かき氷

色とりどりの食べ物も印象的。人間、食べている時が一番幸せな顔になるものですね。
どれもみずみずしい幸福感に溢れていながら、時にとても繊細な一面をのぞかせます。
この世界観を表現するため、印刷には鮮やかさと繊細さを併せ持つFMスクリーンを採用しました。

印刷立ち会い

川島さん、佐々木さん、ナナロク社の坂下さん立ち会いのもと印刷。

川島小鳥さん

右から川島さん、佐々木さん、ナナロク社の坂下さん。

子供の頃のみずみずしい気持ちを思い出させてくれる一冊。
プレゼントにも良いかもしれませんね。
是非、お手にとってご覧ください。

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川島小鳥写真集 『明星』

発行 ナナロク社
デザイン 佐々木暁
印刷 サンエムカラー
プリンティングディレクター 谷口倍夫(サンエムカラー)
仕様 本文240ページ、B5縦横重ね合わせ
価格 3,000円+税
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写真集制作のお問い合わせはサンエムカラーまで!

MIHOミュージアムコレクション・日本美術の愉悦

2015.3.19  印刷作品アーカイブ 

だんだんと温かい日が増え、春めいてきましたね。

本日は、MIHOミュージアムコレクション展
「曽我蕭白 富士三保図屏風と日本美術の愉悦」の書籍のご紹介です。

6月まで開催の同コレクション展は、最近収蔵となった曽我蕭白《富士三保図屏風》を中心に同館の収蔵する日本美術の名品を出展。
霊峰富士をめぐって、古来の美の世界を散策するような構成とのこと。書籍で少しだけ散策してみましょう。

表紙・帯

表紙

一般的な図録と異なり、見開き1ページに1点の写真と解説をゆったりと配置。
写真も美しく、読み物としてもわかりやすく引きこまれる内容です。

仏

犬
「あの世まで お供します」
犬の埴輪。かわいいです。

tubo

画面ではお伝えしきれませんが、特に陶器の作品は図版にかなり見応えがあります。
FMスクリーンによる高濃度・高精細印刷で、焼き物のツヤ・手ざわりまで手に取るように再現。

そして、こちらが目玉作品の曽我蕭白《富士三保図屏風》

富士三保図1

富士三保図2

左隻に富士を、右隻には三保の松原にかかる虹を配置した六曲一双。

虹というモチーフがなんともおもしろく、全体的に空想的な雰囲気が漂っています。
図版が大きいので、細部の描き込みまでご覧いただけます。
館長・辻惟雄先生による作品解説も必読です。

この一冊で美術館に行った気分になれますが、MIHOミュージアムにも是非足を運んでみてください。

「日本美術の愉悦」は6月7日まで開催中。同じく公開中のバーネット・ニューマン《十字架の道行き》も見逃せません。

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『曽我蕭白 富士三保図屏風と日本美術の愉悦』

編著 MIHO MUSEUM
発行 青幻舎
印刷 サンエムカラー
定価 2000円+税

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MIHO MUSEUM コレクション展
「曽我蕭白 富士三保図屏風と日本美術の愉悦」

http://www.miho.or.jp/japanese/index.htm
3月14日(土)~6月7日(日)
月曜休館(5月4日は開館)

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山崎弘義写真集『DIARY 母と庭の肖像』

2015.3.9  印刷作品アーカイブ 

本日は、山崎弘義写真集『DIARY 母と庭の肖像』(大隅書店)をご紹介します。

山崎弘義表紙

2009年の個展で発表された「DIARY」。
認知症の母親を介護した3年間、衰えゆく母親の姿と季節のうつろう庭の一角を毎日1枚ずつ写真に収めたシリーズです。
写真集として出版するにあたり、サンエムカラーが印刷を担当させていただきました。

山崎弘義1

山崎弘義2

山崎弘義3

写真と共に、その日の日記が添えられています。淡々と記録されているからこそ、誰しもが抱える家族との向き合い方や、一日一日命を燃やして生きることへの思いが鮮明に伝わってきます。

用紙は山崎さんのご希望から3種類にしぼり、最終的にやわらかな印象かつ印刷表現も豊かなb7ナチュラルを採用。
色味に関しても山崎さんのこだわりが強く、本機校正と簡易校正を繰り返し、最終的に印刷立会のもとできあがった印刷物は絶妙な色合いのバランスに驚きました。表情、肌色、髪型、服装、背景の色味と庭の色味はページごとに変わり、日記を読みながら観賞していただければその完成度の高さが見えてきます。

立ち会い

こちらは印刷立ち会いの様子。手前から山崎さん、大隅さん、山崎さんの奥様・純子さん。

製本は並製PUR製本、仮フランス装、上製本と3パターンから束見本を作成し、上製本表紙カバー付きに決定。装丁、デザインはHONDESIGN北尾さん。白を基調に、清潔感と温かみのあるデザインに仕上がっています。

是非ともお手にとってご覧ください。

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『DIARY 母と庭の肖像』
山崎弘義

発行 大隅書店
デザイン 北尾崇(HON DESIGN)
印刷 サンエムカラー
定価 3000円+税

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山崎 弘義写真展
「DIARY ―母と庭の肖像―」

新宿ニコンサロン
4/28 (火) ~5/4 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

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澤田知子写真集『FACIAL SIGNATURE』

2015.3.3  印刷作品アーカイブ 

本日は、青幻舎さんの新刊 澤田知子写真集『FACIAL SIGNATURE』のご紹介です。

澤田知子さんは、内面と外面の関係性をテーマに、さまざまな化粧・髪型・服装に身を包んだセルフポートレイトを一貫して制作しておられます。

また、2004年の写真集『ID400』(青幻舎)は、サンエムカラーがお手伝いさせていただいた初の木村伊兵衛賞受賞作品でもあり、印象深い写真家さんです。

澤田知子表紙

早速、『FACIAL SIGNATURE』をのぞいてみます。

ケースを開くと、断裁面まで真っ黒な本体が。
画像ではわかりづらいですが、ケースの断裁面も黒く塗られています。

展開

ノド

製本はノド元の開きが良いPUR製本。独特の柔らかい質感がやみつきになります。

K1

本作では服装という要素を排除し、表情・化粧・髪型のみでさまざまな人物に扮装。より抽象的なレベルでの個人差がにじみ出ています。

K3

印刷は細部の再現性に優れたFMスクリーン。ひとつひとつの顔の存在感が一層際立ちます。

K2

NY滞在時の経験から、様々な「東アジア人」に扮することが今回のテーマなのだそう。

一人の人間の中にこれだけたくさんの顔があることが不思議で、
今、自分はどんな顔をしているのか、鏡で確認したくなってきました。
是非、この不思議な感覚を味わってみてください。

また、3月14日より東京・MEMギャラリーで個展を開催されるとのこと。
こちらも是非、足をお運びください。

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『FACIAL SIGNATURE』
澤田知子

発行:青幻舎
ブックデザイン:浅野豪
印刷:サンエムカラー
製本:渋谷文泉閣
価格:5000円+税

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澤田知子展
会場:MEM
期間:3/14~4/19
http://mem-inc.jp/

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