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アートフェス「KG+」でのトークイベント「Maniac for Photographers サンエムカラー、印刷のほへと」レポート

2023.5.11  お知らせ, 展覧会・イベント情報  , , , , ,

 

前回の記事で紹介した「KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭」「KG+」が、5月14日で会期終了となります。今回の記事では、サンエムカラーが関わった「トークイベント」「展覧会」「印刷物」を紹介します。

・トークイベント「Maniac for Photographers サンエムカラー、印刷のほへと」レポート
・展覧会「Maniac for Photographers サンエムカラー、印刷のほへと」マーターポート公開
・「KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭」「KG+」で、サンエムカラーが関わった展示の紹介



トークイベント「Maniac for Photographers サンエムカラー、印刷のほへと」レポート

「KG+」でのトークイベント「Maniac for Photographers サンエムカラー、印刷のほへと」が4月30日に開催されました。サンエムカラーとして初となるトークイベントです。

このトークイベントでは、サンエムカラーならではの写真印刷に関するマニアックな話題を提供して、参加者の方々とより良い作品が作れるように知識を共有することを目的としています。

登壇者は、サンエムカラーからはアートブックの印刷・製本を担当する木村浩、文化事業部マネージャー大畑政孝、そして司会としてKG+のアートディレクターでもあるグラフィックデザイナーの北原和規さん(UMMM)

トークイベントの会場となる、くろちく天正館本店2階では「KG+ PHOTOBOOK FAIR 2023」が開催中。こちらは国内20以上の出版社や書店がブースを並べて、出版物を販売するイベントです。ブックフェアから流れてくる方も集まり、写真印刷に興味のある方々によって、トークイベントの会場はほぼ満席になりました。



トークイベントの内容は下記になります。一般的な印刷会社と違い、美術に関連した印刷物を日々取り扱うサンエムカラーならではの印刷にこだわったトピックになります。

まずは「本当はRGBで入稿してほしい」という話題から。

基本的に印刷用のデータは、ディスプレイで表示するカラーモードのRGBから、印刷するためのカラーモードCMYKに変換します。変換の際に、色の変わる度合いが違ってきます。一旦CMYKに変換すると、もともとのデータに余力があっても伸びしろがなくなってしまいます。一度劣化したデータを元に戻すのはなかなか難しい。

一般的な印刷会社では写真家がデータをCMYKに変換をしてから入稿しますが、サンエムカラーの場合はできればRGBで入稿してほしいという考えがあります。

その理由は、サンエムカラーではジャンルごとの専門のレタッチャーによって、RGBからCMYKに変換することで元々あった色の魅力を劣化させずに調整しているからです。そういったカラースペース(色表現の広さ)を狭めさせたくないという理由があって、できればRGBで入稿してもらうことが嬉しいのです。

ここまで話を進めると、来場者から「写真家たちは、完成系のイメージをスクリーンで見ているが、家庭用のプリンターで紙に一旦出力した方が良いのか?」という質問が出てきました。

「ディスプレイの色の通りに印刷してくれという注文がありますが、 やはり紙にプリントされたものがあると作家さんの意図が入るので、イメージしやすいです」と大畑が返答。作品を印刷するには、作家さんとコミュニケーションを取って、本人の意図する方向を印刷会社側が理解することによって、より良い作品をつくることができるのです。

この後も写真印刷に関するマニアックな話題が続き、すべてのトピックは語れませんでしたが、登壇時間の一時間半が終了。当日は、KG+のInstagramのアカウントで動画が配信されました。アーカイブされていますので、続きが気になる方はご視聴ください。

トークイベント終了後は、サンエムカラーで印刷した作品を囲んで、これから写真集を作りたいという方の相談に乗るなど来場者の方々と交流する機会ができました。サンエムカラーはお堅いイメージがあるかもしれませんが、気軽に話しかけていただけましたら。

また機会があれば、トークイベントを開催していきたいと思います。もし印刷に関するトークイベントのご依頼があれば連絡いただけましたら幸いです。


展覧会「Maniac for Photographers サンエムカラー、印刷のほへと」マーターポート公開


今回の展覧会では、写真家8名の各作品の意図に合わせて、特殊な印刷を施しています。ご来場いただいていない方に、マーターポートを使って、オンラインで展示会場の雰囲気をお届けします。作品の前にある白い丸をクリックしたり、カーソルをグリグリといじってみてください。


マーターポートでは会場にいるかのようなヴァーチャルな体験ができますが、今回の作品は現場で見てもらうことで、印刷のこだわった質感が伝わると思います。作品本来の魅力を楽しむために、足を運んでみてください。会期終了まであと数日ですので、マニアックな写真印刷に興味がある方は必見です!

ちなみに会場内には、各作品の意図に合わせた印刷技法について解説したハンドアウトが設置されています。ハンドアウト自体の印刷もこだわっていますので、ご自由にお持ち帰りください。デザインは北原和規さんです。


出展作家:前端紗季金サジCMTK森千裕×金氏徹平)、浅田政志森山大道Roland Hagenberg麥生田兵吾Kikoh Matsuura

会期:2023年4月15日(土)〜5月14日(日)11:00〜18:30(休館日:月曜日)
会場:堀川御池ギャラリー2F パブリックスペース
住所:〒604-0052 京都府京都市中京区押油小路町 油小路通御池押油小路町238-1
地下鉄東西線「二条城前」駅2番出口から徒歩3分



「KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭」「KG+」で、サンエムカラーが関わった展示の紹介

サンエムカラーでは、今回のフェスのパンフレットやハンドマップ、ポスター、そして出展作家の作品や図録、作品集を印刷しています。印刷ならではの質感を楽しむために、ぜひ会場でご覧ください。もしかしたらリストアップした作品以外にあるかもしれませんが、気付き次第、補足します……!

「KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭」(ハンドマップ印刷)
「KG+」(図録、ハンドマップ、ポスター印刷)
シャロル・シャオ「Live Hard, Love Harder」(展示作品、写真集印刷)
ジョン・アイナーセン「Perception Beyond Borders」(図録2点印刷)
髙橋恭司「Void」(写真集印刷)
山内悠「自然 JINEN」(図録印刷)
横山隆平「CITY from the WIND / Rebellion and Freedom」(作品の殆どを印刷)


「KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭」「KG+」では、トークイベント、展示、印刷でさまざまな関わり方ができました。これからも良い作品をつくっていきますので、印刷に関してお困りごとがありましたらご連絡ください。

アートフェス「KG+」での展覧会「Maniac for Photographers サンエムカラー、印刷のほへと」開催中

2023.4.17  お知らせ 



株式会社サンエムカラーが主催する、8組の写真家による展覧会「Maniac for Photographers サンエムカラー、印刷のほへと」が始まりました!

本展では、美術書を主に扱う印刷会社サンエムカラーが、これまで手がけた写真家・アーティストの作品に、手を加えて再出力し展示します。たとえば、森山大道氏の作品は、モノクロ1色で刷った作品を使い、サイズを変えてトリプルトーンで再印刷をしました。

タイトルの「Maniac」は、前衛的・実験的な表現を求める写真家やアーティストを対象としています。「サンエムカラーが扱う印刷機は綺麗に刷れる」という実績展ではなく、印刷技術によって写真表現が拡張されることを実感していただけたらと思います。

本展は、京都市内各所で開催される展覧会「KG+」、協賛企業の主催による展覧会「KG+SPECIAL」内で行われます。

出展作家:前端紗季、金サジ、CMTK(森千裕×金氏徹平)、浅田政志、森山大道、Roland Hagenberg、麥生田兵吾、Kikoh Matsuura
主催:株式会社 サンエムカラー
ディレクション:木村浩(サンエムカラー)、大畑政孝(サンエムカラー)、北原和規 (UMMM)

会期:2023年4月15日(土)〜5月14日(日)11:00〜18:30(休館日:月曜日)
会場:堀川御池ギャラリー2F パブリックスペース
住所:〒604-0052 京都府京都市中京区押油小路町 油小路通御池押油小路町238-1
地下鉄東西線「二条城前」駅2番出口から徒歩3分
http://https://kgplus.kyotographie.jp/exhibitions/2023/%e3%82%b5%e3%83%b3%e3%82%a8%e3%83%a0%e3%82%ab%e3%83%a9%e3%83%bc/

 

・関連イベント
トークイベント「Maniac for Photographers サンエムカラー、印刷のほへと」

写真が印刷によってどこまで変化するのか——展示に関連したトークイベントでは、展示作品の解説だけでなく、日常的に写真に接している印刷会社の社員ならではの印刷機器、インク、紙、スクリーンなどのマニアックな知識をお伝えします。ディスプレイ内とは違ったアナログならではの写真表現に触れてみませんか? サンエムカラー初となるトークイベントへの出演になります。みなさんと交流できる機会を楽しみにしていますので、ぜひお越しください。

登壇者: 木村浩(サンエムカラー)、大畑政孝(サンエムカラー)、北原和規 (UMMM)
開催日時:2023年4月29日(土)14:00〜15:30
会場:くろちく天正館本店 2階
住所:京都府京都市中京区百足屋町380
参加費:無料(予約不要)
https://kgplus.kyotographie.jp/events/2023/12842/

プロフィール
木村浩:サンエムカラー入社時より写真集や作品集などのアート本の印刷・製本を担当し、写真界の芥川賞と呼ばれる木村伊兵衛賞など受賞作品にも多数携わる。近年はジャンルを問わずアーティストの作品制作を行う社内プロジェクトを立ち上げ、アーティストとともに自社導入機械を使用した作品制作を行う。

大畑政孝:サンエムカラー文化事業部マネージャー。UVプリンタを使ったアート制作、複製画事業。大型スキャナ等を使ったデジタルアーカイブ事業。写真集などのプリンティングディレクター、レタッチャー。印刷機などのカラーマネジメント。

北原和規:グラフィックデザイナー。2012年京都にてUMMM設立。書籍デザインの他、様々な美術にて宣伝美術・企画・空間・制作などを担う。KG+アートディレクター。



KG+
京都市内各所で開催される多彩な展覧会。2023年は80以上の展覧会が開催されました。KG+は、これから活躍が期待される写真家やキュレーターの発掘と支援を目的に、2013年よりスタートした公募型アートフェスティバルで、2023年に11回目を迎えます。京都から新たな才能を世界に送り出すことを目指し、意欲ある参加者を広く募集して展覧会を開催いたします。また、KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭との連携・同時開催を通して、KG+参加アーティストに、国内外のキュレーターやギャラリストとの出会いの場と情報発信の機会を提供します。市内各所で展開される多様な表現が地域と訪れる人々をつなげ、新たな発見や交流がうまれることを期待します。
https://kgplus.kyotographie.jp/


KG+SPECIAL
協賛企業やKG+が主催する展覧会です。活躍しているアーティストがキュレーションや企業サポートを受けることにより、より質の高い展覧会を実現します。企業のメッセージや取り組みなども見てとれる、作品と鑑賞者と社会を繋げる展覧会です。

「ART WEEK:PHASE 01」in 京都駅「烏丸公共地下道」ストリートギャラリー

2023.2.24  お知らせ 

本日より「ART WEEK:PHASE 01」と題して、サンエムカラーによる京都駅「烏丸公共地下道」ストリートギャラリーの展示が開始されました!

第一弾は、自然写真家 ビル・アトキンソン が天然石の断面を研磨して撮影したアート作品群。
ビル・アトキンソンはApple Computer社創設期の代表的なプログラマーの一人で、数多くのソフトウェアの開発者としても知られています。



サンエムカラーの色彩技術によって、石の内側に秘められていた色、形、願望までもが色鮮やかに表現されています。

お近くにお越しの際は、ぜひご覧ください!

 

開催場所:京都駅「烏丸公共地下道」ストリートギャラリー(ヨドバシカメラ マルチメディア京都様から東本願寺様に向かう方向)
開催期間:2023.2.24~3.10

「Sublima+コンテスト2022-2023」受賞!

2023.2.7  お知らせ, 受賞関連ニュース! 

昨年サンエムカラーが発行した作品が、日本アグフア・ゲバルト株式会社の「Sublima+コンテスト2022-2023」を受賞いたしました。
受賞した作品は以下の通りです。

 

カレンダー・ポスター部門 銀賞 空海の歩いた路 カレンダー2023
写真集・冊子部門 審査員特別賞 「10」 KOJO MASAYUKI 2012-2022

 

Sublima印刷コンテストとは


Sublima印刷コンテストは日本アグフア・ゲバルトが主催する印刷コンテストです。
アグフアの高精細スクリーニングSublima(スブリマ)の普及およびユーザー様同士が、その技術力を競い合うことで、単に高精細印刷を刷るということにとどまらず、「良い作品を刷るため」企画と印刷現場が一体となって、結果として、トータルな印刷技術向上を目指すという目的で2004年にスタートしました。
日本アグフア・ゲバルト株式会社のホームページより引用)


 

この度は栄誉ある賞を頂けたことを大変嬉しく思います。
受賞した作品をご紹介いたします。

 

カレンダー・ポスター部門 銀賞
空海の歩いた路 カレンダー2023

弘法大師空海の誕生1250年を記念して、空海の軌跡を迫力のある風景写真として切り取り、その生涯に思いを馳せることができるカレンダーです。
写真家・永坂嘉光氏によって捉えられた空海の足跡が、サンエムカラーの4K印刷技術によって表現されています。

こちらはご好評につき完売いたしました。

 

写真集・冊子部門 審査員特別賞
「10」 KOJO MASAYUKI 2012-2022

武人画絵師・こうじょう雅之先生の画業10周年を記念して制作された「複製原画集」です。
こうじょう雅之先生の作品の特徴である力強い筆致と繊細な墨のかすれを余すところなく再現するため、原画をサンエムカラーのギガピクセル・アートスキャナで取り込み、墨絵のページはFMスクリーン4K印刷のトリプルトーンで印刷いたしました。
FMスクリーンに長けたサンエムカラーのノウハウと掛け合わさり、他社では真似のできない最高級の「複製原画集」として完成した一冊です。

こちらはサンエムカラーのオンラインショップにて購入できます。
ぜひお手に取ってみてください!

 

2/1に開催された第38回アグフアユーザー会では、Sublimaコンテストの表彰式が行われました。

Sublima+コンテスト2022-2023授賞式の写真

サンエムカラーは美術印刷会社として、業界最高の技術でクリエイターの情熱に応えます。
印刷で叶えたい夢がございましたら、ぜひサンエムカラーにお問い合わせください!

京都市上京区の西陣織国際美術館で 「大地の女神(Gaia)」色彩複合アート工芸画展 開催中です。

2023.2.1  お知らせ 

アップル社創世記の伝説のプログラマー・ビル=アトキンソンが自然写真家に転じて撮影してきた岩石の断面の色彩豊かな世界を、サンエムカラーの印刷技術でさらにアートの世界に昇華させた展示会が、上京区上七軒の西陣織国際美術館で開催されております。

永い年月を経て地中に眠ってきた岩石が、太古の植物化石として現代によみがえりました。自然界が育んだ深遠で色彩豊かな世界を、同展示会で心ゆくまでお楽しみください。

会期:2023年1月18日(水)~2月26日(月・火曜日休館)
   10:00~16:00(最終入場15:30まで)
会場:西陣織国際美術館(アネックス館OPEN記念)

   京都市上京区一観音町428番地 とみやビル6階
入場料:無料
お問合せ:090-3165-4325(9:00~18:00)