由良環さん「TOPOPHILIA: CITIES after sunrise / before sunset」が、
平成25年度の日本写真協会賞新人賞を授賞されました！
2012年7月にサンエムカラーにて印刷し、
プリンティングディレクターは弊社谷口が担当させて頂きました。
由良さん、関係者の皆様、おめでとうございます。
サンエムカラーでも社員一同喜んでおります。
【由良環さんからの授賞のメッセージ】
写真集の制作では、洋書の画集のようなイメージで
作って欲しいとデザイナーの秋山さんにお願いしました。
また、１ページの面積はある程度の大きさが欲しいと思いました。
写真集を開いた時に、観る人を包み込むような
その場所にタイムスリップしたかのような感覚に
なるような大きなサイズで観てほしいと思い、
写真集の大きさはＢ４変形版になりました。
写真集の中では、１都市で5～７カ所の写真が連続して
配されていますが、連続して観る事で（一つの）
都市を立体的に感じてほしいという意図があります。
最後のページ、蛇腹式のINDEXは、この写真集の中で
最も大事な要素と言えます。
作品のコンセプトや意図、実際の撮影の流れなどが
図と写真だけで感じ取る事が出来る仕組みになっています。
最後に、10都市の都市の温度差、湿度や気温を
モノクロの印刷で表現するという無理難題に
答えて下さったサンエムカラ—さんの、
谷口さん、郡さん、前川さん、そして
スタッフの皆さんには本当に感謝しています。
すばらしいモノクロームの濃淡の、表情豊かな写真集ができたと思います。
デザイナーの秋山伸さん、編集者の河野和典さん
Ｔｅｘｔを書いて下さった写真家の中里和人さんには、
一冊の本の完成へ惜しみない力を発揮して頂いたこと、
この場を借りして感謝申し上げます。
由良 環
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
【秋山伸（Edition Nord）さんからの授賞のメッセージ】
由良さんの厳密な構想と強い意志による営みとを
なんとか本に定着させたいと思いました。
2枚で1組の作品の対称性をはっきり示すように、
普段はほとんど使わないシンメトリーな構成を、
今回は徹底して使ってみました。
写真作品としてはカラーとモノクロのカットが存在するこのシリーズでしたが、
今回写真集にまとめるときは、客観性を徹底し、強度を高めるために、
モノクロに統一することをお勧めしました。
実はカラーよりごまかしがきかないモノクロ写真の印刷ですが、
経験豊富なサンエムさんにお任せして安心していました。
同じトーンのプリント原稿でも、
印刷では各都市の個性を表現したいという由良さんの意図を、
刷りの現場において墨版とグレー版の濃度のバランスを微妙に変化させることで、
巧みに表現して下さったのはさすがでした。
秋山
由良さん、秋山さん、
コメントいただきどうもありがとうございました。
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
由良環「TOPOPHILIA: CITIES after sunrise / before sunset」
判型 T310×Y257
総頁 160
発行所 株式会社コスモスインターナショナル
デザイン：秋山伸（Edition Nord）
編集：河野和典（Studio Ray）
印刷・製本：株式会社 サンエムカラー
プリンティングディレクター：谷口倍夫（サンエムカラー）
定価：￥6,000
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
比較都市論の視点から世界10都市を定点観測した写真集・写真展「TOPOPHILIA」は、撮影日の時間帯の推移だけでなく都市の歴史まで想起させ、更に世界認識のあり方をも問いかける。
（日本写真協会サイトより一部抜粋）
見開きの左右ページに、それぞれ同じ場所、異なった時間の風景が映し出されています。
東京、パリ、ベルリン、モスクワなど世界各地にて撮影されました。
本文はダブルトーン×FMスクリーン網点にて印刷し、
モノクロの世界を色濃く表現いたしました。
由良さんに頂いたコメントにもありましたが
６ページ分の蛇腹ページには、
前掲載作品の撮影場所が全体地図に記載され、
旅したような気持ちにもなる一冊。
ぜひ多くの方に手に取っていただきたいと思います。
改めて、由良さん、関係者のみなさま
おめでとうございました。
これからもよろしくお願いいたします。
◆サンエムカラ-では、装丁や印刷見積もりの相談も受付中！
こちらからどうぞ。