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浮世絵約30数点を“手で触れられる”浮世絵複製画展
「市川團十郎と歌川派の絵師たち」、開催のお知らせ

2023.11.17  お知らせ, 展覧会・イベント情報, カサネグラフィカ 

浮世絵複製画展
「市川團十郎と歌川派の絵師たち」展

株式会社サンエムカラーなどによる「市川團十郎と歌川派の絵師たち」展実行委員会は、浮世絵複製画展「市川團十郎と歌川派の絵師たち」展を、2023年12月3日(日)から12月25日(月)まで、大垣書店京都本店イベントスペースで開催いたします。


・江戸歌舞伎の浮世絵、複製画約30数点と原画1点を展示
本展では、江戸歌舞伎をけん引した七代目、八代目、九代目の團十郎の姿が描かれた浮世絵の複製画約30数点を展示します。当時、團十郎三代の活躍を世の中に伝えたのは、歌川派を中心とした浮世絵になります。これらの複製画は日本有数の個人浮世絵コレクションである、浅井コレクションから作成。「歌舞伎十八番の内・総角の助六(あげまきのすけろく)」(1896年・九代目市川團十郎)は原画と複製画を展示。原画と見比べて複製画が肉眼では寸分違わないことを確認できます。

・100年続く浅井コレクションから厳選
今回の展示品は、“浮世絵とは、江戸時代の世相の最大の証言者である” という信念に基づいて、初代浅井勇助氏が浮世絵の蒐集を始めて現在に至る「浅井コレクション」の中から選び抜かれました。その数は3万余点にもおよび、それをもとに刊行された浅井勇助著『近世錦絵世相史』(全8巻 平凡社刊)、『錦絵日本の歴史』(全4巻 日本放送 出版協会刊)などは、錦絵による世相史研究の嚆矢(こうし)となっています。

・複製画なので、作品に触れることが可能
本展の浮世絵の複製画は、来場された方の手で触ることができます。視覚と触覚で浮世絵の質感が堪能できる、国内では珍しい展示となります。また視覚障害のある方にも浮世絵の魅力に触れていただけたらと思います。

・江戸に想いを馳せる関連グッズを販売
本展では、図録、グッズ、浮世絵複製画、関連本も販売いたします。手ちぎり越前和紙ポストカード、和紙風チケットファイル、風呂敷、てぬぐい、和綴じノート、今治タオルハンカチ などが並び、「和」を意識したグッズ展開となっています。

・十三代目襲名式と同時期に開催
ちなみに「當る辰歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎 市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台」が京都・南座で、2023年12月1日(金)から開幕。南座から徒歩17分の大垣書店京都本店での開催になり、この襲名披露興業を寿(ことほ)ぐ企画でもあります。

 

開催概要

浮世絵複製画展「市川團十郎と歌川派の絵師たち」展

江戸の文化文政から明治まで、江戸東京の歌舞伎を牽引してきた市川團十郎三代の軌跡を、爛熟期の浮世絵でたどる展覧会を開催します。文化文政期、七代目が歌舞伎を江戸が誇る町民文化にまで高め、天保の改革による弾圧のなか、江戸一番の美男子だった八代目がその人気を支えました。そして明治時代、九代目が近代歌舞伎を切り拓きます。こうした團十郎三代の活躍を世の中に伝えたのは、当時最盛期を迎えていた歌川派を中心とした浮世絵師たちでした。

浮世絵複製画展「市川團十郎と歌川派の絵師たち」展では、江戸歌舞伎をけん引した七代目、八代目、九代目の團十郎の姿が描かれた浮世絵を中心に複製画約30点を展示します。これらの複製画は日本有数の個人浮世絵コレクションである、浅井コレクションから作成。なお、本展の浮世絵の複製画は、来場された方に手で触ってもらうことができます。視覚と触覚で浮世絵の質感が堪能できる、国内では珍しい展示となります。100200年前の浮世絵を見て触れて、あなたも歴史の証人になってみませんか。

出展作家:歌川豊国、歌川国貞、歌川国芳、豊原国周など

開催概要

イベント名称 :浮世絵複製画展「市川團十郎と歌川派の絵師たち」展
開催期間 :2023123日(日)~1225日(月)10:0022:00(最終日のみ17:00まで)
開催場所 :大垣書店京都本店イベントスペース
入場料   :無料
住所    :〒600-8565 京都市下京区四条通室町東入函谷鉾町78 京都経済センター SUINA(すいな)室町1F(京都市営地下鉄烏丸線「四条駅」下車、阪急京都線「烏丸駅」下車、26番出口直結)
主催:「市川團十郎と歌川派の絵師たち」展実行委員会・大垣書店


媒体掲載

本展はいくつかの媒体で紹介いただいています。ぜひご覧ください。

「京都観光Navi」
https://ja.kyoto.travel/event/single.php?event_id=9158
「デジスタイル・京都」
https://www.digistyle-kyoto.com/event/37920
「KYOTOLIFE」
https://www.life-info.co.jp/ukiyoe_sunm/
「Kyoto Love. Kyoto」
https://kyotolove.kyoto/I0000582
「ススミカマガジン」
https://susmca.com/danjuro-and-utagawa-ukiyoe/
「京都で遊ぼう ART」
https://www.kyotodeasobo.com/art/exhibitions/danjuro-utagawa/index.html

ラジオ局FM京都の番組「ONE FINE DAY」(DJ:寺田有美子)で11月12日13:00頃に紹介されました。

江戸歌舞伎と浮世絵の関係性

江戸時代後期から末期は、江戸文化の爛熟期でもありました。歌舞伎も、その江戸文化を代表するもののひとつとして大変な人気となっていたわけですが、その歌舞伎とのコラボレーションで全盛期を迎えていたのが浮世絵(錦絵)でした。

とりわけ豊国、国貞の歌川派は、歌舞伎役者や名場面を描いて人々から大きな支持を得ていました。 当時、歌舞伎界を代表する名優、七代目市川團十郎は、歌川国貞と懇意にしており、團十郎を描いた浮世絵(錦絵)は、その人気と相まって、大いに売れたと言います。こうして歌舞伎界の大名跡、市川團十郎の波瀾に満ちた活躍は、浮世絵(錦絵)によって現代に伝えられることになりました。

 

七代目、八代目、九代目團十郎の歴史に残る逸話(エピソード)

・七代目 市川團十郎

七代目市川團十郎は、豪快ななかにも男らしい色気がただよう芸風だったらしく、市川宗家のお家芸である荒事をよくするほか、四代目鶴屋南北と組み『東海道四谷怪談』の民谷伊右衛門のような悪役をやって人気を取った。いわゆる「色悪」の領域を確立した人物である。

天保3年(1832年)、息子・六代目市川海老蔵に八代目團十郎を継がせ、自身は五代目市川海老蔵を襲名する。このとき成田屋相伝の荒事18種を選んで「歌舞妓狂言組十八番」と題した摺物にし、これを贔屓客に配った。これが「歌舞伎十八番」となった。七代目團十郎改メ五代目海老蔵は、市川宗家=荒事の本家=江戸歌舞伎の権威、という図式を完成させた。また現代使われている「おはこ」という言葉は「歌舞伎十八番(じゅうはちばん)」の台本を箱入りで保存したことに由来するといわれる。

天保13年(1842年)、天保の改革の旋風が吹き荒れるなかで、海老蔵は突如江戸南町奉行所から手鎖・家主預りの処分を受け、さらに江戸十里四方処払いとなる。これによって江戸の舞台に立つことが不可能となった海老蔵は成田屋七左衛門と改名。一時、成田山新勝寺の延命院に蟄居したのち、駿府へ移る。その後さらに幡谷重蔵と改名して大坂へ昇り、京・大津・桑名などで旅回り芝居の舞台に立った。追放の直接の原因は、奢侈禁止令に触れる派手な私生活と実物の甲冑を舞台で使用したというものだったが、要するに罪状は何でも良く、その目的は江戸歌舞伎の宗家として江戸っ子の誰もが認める「あの團十郎」を手厳しく処罰することにより、改革への腰の入れようを江戸の隅々にまで知らしめることにあった。

・八代目 市川團十郎

「助六」の舞台上で、八代目が身を沈めた桶の水を美顔水としてとっくり1瓶1分(現在の価格で3000円ほど)で販売すると飛ぶように売れた。なかには八代目の痰を「団十郎の御痰守」として販売する者までいた。

・九代目 市川團十郎

1887年(明治20年)、演劇改良運動の一環として、明治天皇の御前で初の天覧歌舞伎を催すという栄誉に浴し、「勧進帳」の弁慶などを務めた。この天覧歌舞伎は外務大臣・井上馨邸で開催されたが、九代目は井上のほかにも演劇改良会を通じて、伊藤博文や松方正義などの元老とも交流を持ち、歌舞伎俳優の社会的地位の向上につとめた。

 

「市川團十郎と歌川派の絵師たち」展実行委員会について

社名   :株式会社サンエムカラー
本社所在地:〒601-8371京都市南区吉祥院嶋樫山町37
代表取締役:松井勝美
設立   :1985810日 設立
事業内容 :8K印刷(超高精細印刷)
      カサネグラフィカ(次世代高精細複製)・ジークレー版画
      カタログ・パンフレット・チラシ等の企画・印刷・加工
      FMスクリーン印刷 LED-UV印刷
      高濃度印刷
      特殊印刷レプリカ印刷・ルミナアート印刷
      グッズ企画・制作・販売
ウェブ  :https://www.sunm.co.jp/

社名   :橘企画株式会社
設立   :201011
代表   :橘 倍男
所在地  :〒101-0047東京都千代田区内神田1-10-8 ハゴロモビル2階
事業内容 :カレンダーの企画・製作・販売
      キャラクター商品の企画、開発、販売
ウェブ  :https://www.sunexcelartcalendar.com

 

本展への問い合わせ

担当者:「市川團十郎と歌川派の絵師たち」展実行委員会 吉田
メールアドレス:yoshida@sunm.co.jp
電話番号:サンエムカラー内実行委員会 075-671-8458