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北村武資作品撰集

2011.7.19  印刷作品アーカイブ 

平成23年9月16日(金)~10月30日(日)に、
京都国立近代美術館にて開催される『「織」を極める 人間国宝 北村武資展』
本展覧会でも販売される作品集の印刷をサンエムカラーが担当させて頂きました。

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『北村武資作品撰集』
印刷:FM X20|300x225
糸かがり|8頁折|p252 上製本
モノクロ124頁 カラー128頁
PPカバー+スリーブケース
ブックデザイン:大向務(大向デザイン事務所)
プリンティングディレクター:谷口倍夫
(サンエムカラー)

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印刷職人のしごとば

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重要無形文化財「羅」「経錦」の保持者である北村武資氏。
喜寿の今年は織を始められて60年の節目でもあり、
自ら100点を厳選し、収録した貴重な一冊です。
造本仕様にもこだわり、作家の作品(羅・経錦裂地)がはめ込まれています。
また、裂地の表裏が見られるように工夫した造本仕様です。
裂地が表紙から見えるようにトムソン抜き加工を施し、
透明のブックカバーで羅組織文様の表紙を保護した上で
スリーブケースに入れる仕上げとしました。

印刷職人のしごとば
▲表紙からは裂地の表面が見えるようになっています。

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▲裂地の裏面もみることができます。

印刷職人のしごとば

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印刷としては版をFMスクリーンで出力していますので、
織りの細部まで確認することができます。
網点濃度を自在に変化できるFMスクリーン印刷で刷り上げましたので、
驚くほどの立体感と精緻さの表現を生むことに成功しています。
染織作品の印刷では生じやすい「モアレ」についても
解決する事のできる印刷(製版)方法です。
ぜひ実際の書籍を手に取って頂ければと思います。

9月16日からの展覧会にもぜひお出かけ下さい。

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会期
平成23年9月16日(金)~10月30日(日)

開館時間
午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
※10月27日(木)~30日(日)は午後8時まで開館、入館は30分前まで

休館日
毎週月曜日
※ただし、9月19日(月・祝)、10月10日(月・祝)は開館
9月20日(火)、10月11日(火)は休館

主催
京都国立近代美術館

協力
パナソニック電工株式会社

◆巡回先
東京国立近代美術館工芸館   平成24年2月7日(火)~4月15日(日)

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関連イベント
講演会
■「自作を語る」
北村武資氏
日時:2011年10月1日(土)午後2時~3時30分
会場:京都国立近代美術館1階講堂
定員:100名(聴講無料、当日午前11時から受付にて整理券を配布します)

■「文様のうらに潜む生命力と文化的背景」(仮題)
立田洋司氏(静岡県立大学教授)
日時:2011年10月8日(土)午後2時~3時30分
会場:京都国立近代美術館1階講堂
定員:100名(聴講無料、当日午前11時から受付にて整理券を配布します)

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印刷職人のしごとば-印刷女子
◆サンエムカラ-では、装丁や印刷見積もりの相談も受付中!
こちらからどうぞ。

山内宏泰 「写真のプロフェッショナル」

2011.6.21  印刷作品アーカイブ 

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山内宏泰 「写真のプロフェッショナル」
発行元:パイインターナショナル(PIE BOOKS)
2011年4月発行|印刷:FMスクリーン
3400円+税
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70名の写真のプロたちを取材、「写真大国」日本の写真界の姿を明らかにした、
写真が好きな方、写真に関わる仕事をされている方にも必読の一冊。
「一億総フォトグラファー」状態(本文より)という日本においての、
「写真のプロフェッショナル」の姿が描かれています。

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下薗詠子さん、岡田敦さん、高木こずえさん、浅田政志さん、
都築響一さん、佐内正史さん、HIROMIXさん、大森克己さん、長島有里枝さん、
森山大道さん、野村佐紀子さん、津田直さん、石川直樹さん、山内悠さん、
姫野希美さん、町口覚さんなど、サンエムカラーで印刷させて頂いた写真家の方々や
いつもお世話になっている出版社、デザイナーの方などが盛りだくさんに
掲載されています。

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本年度「木村伊兵衛写真賞」受賞された下薗詠子さんも
寄稿されています。サンエムカラーでは受賞作「きずな」
印刷を担当させて頂きました。

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石川直樹さんは「石川直樹写真集 VERNACULAR」での印刷を担当させて頂きました。
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写真のプロフェッショナルについての書籍ということもあり、
本書では色の再現性が高いFMスクリーンにて印刷を行いました。
内容や寄稿文も読み応えがありますが、
加えて掲載されている写真作品の色もご覧頂ければと思います。

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鴻池朋子 「焚書 World of Wonder」

2011.6.20  印刷作品アーカイブ 

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鴻池朋子 「焚書 World of Wonder」
発行元:羽鳥書店|2011年4月発行
印刷:FMスクリーン 本文:ダブルトーン
3800円+税
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国内外で注目の作家、鴻池朋子の絵本「焚書 World of Wonder」

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“世界の初めに 信じるなんて なかった
美しいも汚いも ひとつだったから

ぜんぶ ひどくて ぜんぶ すばらしかった”
(本文より)

独自の世界観での神話が語られていく本書は、
圧倒的なパワーと世界観を持った一冊です。

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文章も鴻池さんによるもの。

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この絵本の印刷には、FMスクリーンを採用し、
鉛筆の細かい風合いを再現しています。
また本文はダブルトーンで細かい表現を可能にしています。
部分的に薄くマットニスを引き、風合いにもこだわった一冊です。

鴻池さんといえば、
サンエムカラーが協賛しております現在巡回中の展覧会
「ジパング展」にも作品を出品されています。
大きなサイズの作品を見ることができますし、
鴻池さんの作品を使用したグッズも販売中です。
本書もぜひ手に取って頂きたいのですが、
ジパング展にもぜひお立ち寄り頂ければと思います。

■次回ジパング展開催予定 ※詳細はコチラからどうぞ
8/31~9/12  大阪髙島屋
9/28~10/10  京都高島屋

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三好和義 「いつか、楽園へ」

2011.6.20  印刷作品アーカイブ 

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三好和義 「いつか、楽園へ」
発行元:パイ インターナショナル
2011年5月発行|制作協力:PIE BOOKS
装丁・本文デザイン:松村大輔
FMスクリーン+高輝度インキ
2400円+税
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いつもお世話になっている三好和義氏撮影、
PIE BOOKS制作協力の新作「いつか、楽園へ」の印刷を
サンエムカラーが担当させて頂きました。

印刷職人のしごとば

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本作品は、いつか本当の楽園に住み着いてのんびりと暮らす、というのが夢という
三好氏がモルディブ、沖縄、ハワイの各地を訪れ、撮影された作品集です。
青い空とクリアブルーの海を再現するために、
印刷方法としてはFMスクリーンと高輝度インキを使用しています。

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FMスクリーンとは、サンエムカラーが得意とする
微小なドットを濃度によってランダムに配置ことにより
絵柄の濃淡を表現する、高い再現度をもつ印刷方法です。
通常のAMスクリーンより網点も細かくなるということは、
網点ひとつひとつがくっつかないようにする必要があり、
(くっつくと色がつぶれます)
そのためにインキの固さやブランケットの固さを調整しています。
網点をどれだけ高くつぶさずに「盛る」ことができるかというのも
サンエムカラーが創業時からこだわってきた高い色再現を追求した、
いわば創業者松井の「松井スペシャル」というべき技。

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また「高輝度インキ」とは、本作品の様な濁りの無い色を
再現するときに用いられます。
RGBで撮影されたものをCMYKに変換する際に発生する「濁り」
をできるだけなくすように作られた物ですが、
インク自体に透明感があるものなので一般的な刷り方であると
色が浅くなってしまいます。
そこで、サンエムカラーのFMスクリーンを使用、
またインクの網点をつぶさずに「盛る」技術が発揮され、
透明感のある高輝度インキであっても浅い色ではない、
究極の「海の色」を再現することができました。

現在の印刷技術では、
CMYK+RGB三版というように自動的に色分版を行う技術も開発されていますが、
やはりそこは機械が自動的にする作業になるため、
調整されたRGBの部分に違和感が出てしまいます。
現段階では、人の知恵・感覚・技術での調整が一番の再現性を持っています。
ぜひ、「いつか、楽園へ」を手に取って頂き、
楽園のクリアな「青」を見て頂きたいと思います。
本当に世界は美しいんだなあ、と旅心くすぐられる一冊です。

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水野克比古「京町家拝見」「京都 風の色」

2011.6.13  印刷作品アーカイブ 

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■水野克比古「京町家拝見」
2011年5月|発行:光村推古書院
印刷:FMスクリーン|¥1,600+税
印刷設計:三浦啓伯(玄元舍)
PD:郡清次郎(サンエムカラー)

■水野克比古「京都 風の色」|¥2,400+税
2011年6月|発行:光村推古書院
印刷設計:三浦啓伯(玄元舍)

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印刷職人のしごとば

印刷を担当させていただいた新刊2冊のご案内です。
いつもお世話になっております、光村推古書院刊、
水野克比古氏が撮影された写真集です。

京都らしい風景や自然、人の暮らしが
イキイキと紙面に映し出されています。

印刷職人のしごとば

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人も街も自然も美しい京都に行ってみたくなる、
そんな写真集です。
「京都 風の色」は四季折々の寺院や名所での鮮やかな
風景や自然を切り取った写真集ですので、
京都観光される方もきっと参考になると思います。

印刷はFMスクリーンで精密に色再現を行いました。
ぜひ書店で手に取ってご覧下さい。

「京町家拝見」はこれ一冊で京都の町家がわかる本。
京の町家がどんな構造をしているのか、それを四季を通じて
どんな風に使っているのかがわかります。
これ一冊で、あなたも<町家通>に!
ちなみに、見学できる町家も紹介されています。

印刷職人のしごとば

「京町家拝見」の表紙部分は
上から見るとぎっしり詰まった町家の屋根の風景。
あまり見る事はありませんが、
空から見ると屋根だけでもこんなに京都らしいんですね。

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