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一冊の写真集が完成するまで part2 ④

2018.11.2  お知らせ 

サンエムカラーは、これまでに様々な方々の

作品集・写真集の印刷を手がけてまいりました。

初めて作品集を作られる方にも、経験豊かな担当者が

しっかりとお話を伺い、充実した作品集が完成するまでを

徹底的にサポートさせていただいております。

しかし、この記事を読まれている方の中には、

「写真集を作りたい!でもハッキリしたイメージが持てていないのに相談しても大丈夫なのか」

「お金がどれくらいかかるのか全く分からない…」

など、不安に思われている方も多いのではないでしょうか。

 

そこで、当ブログでは数回に渡り、実際にサンエムカラーが

作家の方と共に1冊の作品集を作り上げるまでの様子をお届けしたいと思います。

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今回、本を作らせていただくのは写真家の川内陽さんと

詩人の服部嗣雄さんです。

タイトルは『詩と写真、その可能性』。

二人のおりなす世界観からどんな新しいものが生まれるのか。

完成が楽しみですね!

第4回の今回は写真集の印刷立会いの様子をお伝えしたいと思います。

(第3回目、写真集の色校正の様子はこちらよりどうぞ。)

第2回でお伝えしたオフセット印刷ができる工場で

実際に印刷の立会いをしていきます。

これがオフセット印刷機です。

前からKCMYとそれぞれの色を刷り、重ね合わせていくことで

実際の印刷物になっていきます。

 

刷り上がったものを念入りにチェック中です。

本刷りを前に、服部さんも真剣な様子。

疑問に思った方もいると思いますが

前回の校正の時と紙の大きさが違いますね。

実は書籍などの印刷は1ページずつ印刷しているわけではなく

大きい紙(原紙)に割り付けをしたものを断裁、加工などを施して

作り上げていきます。

話は戻りますが第一回の『台割表』がこの時に大活躍してきます。

たとえば65ページの本を制作しようと考えたとします。

1枚の原紙に32ページ分の割り付けをするとしましょう。

すると単純計算で64P分はきっちり2枚に収まりますが

残り1Pは3枚目の原紙に…残り31ページ分が非常にもったいないですね。

こういうことを防ぎます。

必ずしもこのページ数に収めなければならないというわけではないので

そこは専門の営業と相談しながら決めていきます。

印刷物を作る上では重要なのでぜひ覚えておくと良いかもしれません。

脱線をしている間に方向性が決まってきたようですね。

ここからは早速、本刷りにうつります。

いよいよですね。

本刷りが終われば次は製本加工になるのですが

製本は自社では行いませんので

上がってくるのを待つばかりといったところでしょうか…

この間がまたさらに緊張しますね。

そしてただいま、開催中の川内陽さんの写真展、

「KiBi …心のゆらぎ、きらめき…」

が開催中です!

私たちも実際に赴いて展覧会の様子を視察させていただきました!

平安神宮の正面道路を南にまっすぐいったところにその会場、京都写真美術館はあります。

展示は2Fで行われています。

個展では、「お花結び」「少年少女たち」「セレクション」の3つのテーマに分かれており、

会場もそれぞれ3つの小部屋に分かれていて

写真の世界に今にも吸い込まれそうな感覚になります!

写真集には使用していませんでしたが、

実際の作品には箔が押されていて

「箔と写真を融合させる」という新しい試みにも挑戦されています。

照明や角度で写真のイメージも変わるのでとても素敵です。

展覧会は4日、今週の日曜日まで。

ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?

 

次回はいよいよ本の中身を紹介していきます。

お楽しみに。

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川内陽 写真展

「KiBi …心のゆらぎ、きらめき…」

2018.10.30(tue) ~ 11.04(sun)

京都写真美術館 ギャラリー・ジャパネスク

詳細HPはこちら

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