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1冊の写真集が完成するまで①

2017.8.22  1冊の写真集が完成するまで 

サンエムカラーは、これまでに様々な方々の
作品集・写真集の印刷を手がけてまいりました。

初めて作品集を作られる方にも、経験豊かな担当者が
しっかりとお話を伺い、充実した作品集が完成するまでを
徹底的にサポートさせていただいております。

 

しかし、この記事を読まれている方の中には、
「写真集を作りたい!でもハッキリしたイメージが持てていないのに相談しても大丈夫なのか」
「お金がどれくらいかかるのか全く分からない…」
など、不安に思われている方も多いのではないでしょうか。

 

そこで、当ブログでは数回に渡り、実際にサンエムカラーが
作家の方と共に1冊の作品集を作り上げるまでの様子を、
リアルタイムでお届けしたいと思います。
どんなペースでどんなことが決まっていくのか、
打ち合わせはどんな雰囲気なのかなどを、
写真を交えて具体的にお伝えしていきます。

 

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この日、打ち合わせにお越しいただいたのは、道音舎の北浦雅子さん、
ハザマデザイン事務所の硲勇さん、そしてフリーランスの写真家・照井壮平さん。
弊社担当は営業部の前川です。

照井さんは熊野・高野山をフィールドとして活躍し、
国内外で作品を発表されている新進気鋭の作家さんです。
今回はその熊野・高野山をテーマとしたご自身初となる写真集、
それもこだわりの少部数限定出版のものを作りたいということで
お話をいただきました。

▲左から、硲勇さんと照井壮平さん。

 

実は取材時はすでに2回目の打ち合わせ。
最初に来社された際の打ち合わせで、「大まかな予算」「こだわりたいポイント」などを
伺いながら調整をし、コデックス装という装丁で進めることが決まっていました。

初めての場合、装丁などでこだわりたい部分と
予算が折り合わない、というように、お客様のイメージと
実際の事情に違いが生じることも多々あります。
そんな時も、同じ予算内でより良いものが作れる代替案を
ご提案しながら、根気よく最良の方法を探っていきます。

今回の打ち合わせでは、本文や表紙に使う紙の相談や、既刊の写真集を参考にしながら、
より具体的なイメージを固めていきます。

 


▲写真集のミニチュアイメージを見ながらの相談。

 

黒を基調とした作品を撮られているので、以前弊社で担当した
黒いコデックス装の本を参考に話が進みます。

 


「ここの側面を黒くできるんですか?」
「シルクスクリーンで小口印刷という手があるので、それを使えば可能ですよ」
「本文に対して表紙を大きくすれば額縁みたいでかっこいいですよね」

 

見本になるのは本ばかりではありません。
少しでもイメージに近いものであればどんどん参考にしていきます。

 


▲ルーペでモノクロポスターの網点を見ていただき、
黒い部分とグレーの部分の表現の違いを実感していただきます。

 

内容に関しての相談がひと段落すると、今度は価格やバーコードといった、
さらに細かい部分の相談です。
書店では流通しないアートブックの場合、バーコードを本に直接印刷せずに
シールとして袋に貼る場合が多いのですが、そういった、一般的に書店に
流通する本と少数出版の写真集との違いなどもご説明しながら進めていきます。

 


▲作品の実物もお持ちいただきました。

 

      

 

 

打ち合わせは終始和やかな雰囲気。最後に、どの形で次の見積もりを
お出しするか、スキャンはどのようにするかを話し合い、今回は終了しました。

 

次回からも、実際の制作進行に合わせて随時状況をお伝えして参りたいと思います。

なお、今回の写真集制作の様子を作家さんの視点から捉えるブログを北浦さんが書かれています。
制作進行の様子がよりリアルに感じ取れますので、当ブログと並行してお読みいただけると幸いです。

北浦さんのブログです。↓
http://www.michi-oto.com/kyoto/

 

また、今回取材させていただく照井さんの写真集「狼煙」の特設HPがあります。
最新情報のほか、デザインや照井さんによる文章に写真集への期待が高まります。
ぜひ、チェックしてみてください。

 

「1冊の写真集が完成するまで」次回の更新をお楽しみに!

 

 

◯「1冊の写真集が完成するまで ②」はコチラから◯