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1冊の写真集が完成するまで⑤

2017.9.27  1冊の写真集が完成するまで 

サンエムカラーが、作家の方と協力して
新しい写真集を作り上げるまでの様子をリアルタイムで
お届けするシリーズ「1冊の写真集が完成するまで」。

5回目の今回は、サンエムカラーを離れて、
シルクスクリーン印刷会社からお伝えします。

 


 

今日向かうのは、シルクスクリーン印刷を
専門に手がける、東美企画さんです。

サンエムカラーでは、長年培ってきた知識と、
幅広い加工先様とのつながりを大切にし、
お客様のご要望に高いレベルでお応えできる
印刷・加工を提案いたしております。
東美企画さんは、そんな心強い協力会社の一つです。

弊社からは少し離れていますので、車で向かいます。
北浦さんと硲さんも一緒に来ていただきます。

20分ほど走った頃、商店街を一筋外れた細い道の先に
東美企画さんが見えてきました。

中に入ると、代表の神代大輔さんが出迎えてくださいました。


▲東美企画さんの印刷室です。

壁の棚にはインキ缶やシルクスクリーンの版がぎっしりです。
まさに職人の作業場という感じで、ワクワクします。

これが、シルクスクリーンの印刷機です。
銀色の枠に囲われた部分が、版です。

今日見せていただくのは、写真集のタイトル部分の印刷です。
黒い紙の上に真っ白のインキで刷ります。

早速、刷る所を見せていただきます。


▲ヘラでインキを扱うのはオフセットのインキと一緒です。


▲版の上に練ったインキを乗せます。


▲ボタンを押すと、版の上をスキージ(青い部分)が動いて
インキを伸ばします。

シルクスクリーンの版は、刷りたい形に穴を作るように
製版されており、その穴の上からスキージでインキを
紙の上に押し出す形で印刷します。

 

あっという間に1枚目が刷れました。

 

左が今シルクで刷られたもの、右が弊社のオフセット機で印刷したものです。
シルクスクリーンで刷られた方がハッキリと白が乗っているのが分かります。

神代さんに伺うと、探索の末にこのカバー力の
白インキを見つけてくださったとのこと。
本当に頼りになります。

また、先ほども書いたように、シルクスクリーンは版の穴を通して
インキを紙に乗せる印刷技法ですので、その穴が細かすぎると
すぐにインキが詰まってしまいます。
文字などは、線の太さによっては
お客様のデータに最も近い形で製版に適した状態に
調整してくださるのも、東美企画さんの経験と技術です。

次々ときれいな白が刷られていく様子は
気持ちがいいものです。

しばらく見学させていただいた後、仕上がりを
北浦さんと硲さんに確認していただきましたので、
今日はこれで失礼します。

今回は表紙の他に、本文の背のシルク印刷でも
引き続き東美企画さんのお世話になります。

東美企画さん、神代さん、ありがとうございました。
この先もよろしくお願いいたします。

 


 

現在は弊社での印刷も終わり、次のステップである製本や
特殊印刷など、信頼している職人さんたちと協力して
作業を進める段階に入っています。

次回もサンエムカラーを出て、今度は製本会社より
製本の様子をお伝えする予定です。

 

照井壮平さんの写真集「狼煙」特設HPはこちらです。
ぜひチェックしてください。

 

 

「1冊の写真集が完成するまで」、次回の更新をお楽しみに!

 

◯「1冊の写真集が完成するまで ⑥」はコチラから◯